タリスカー蒸留所|スペック
【会社】
ディアジオ社
【国】
スコットランド/スカイ島/カーボスト
地区:アイランズ
【名前の由来】
設立者が有していた蒸溜所近くの地名から
“Talisker”は古ノルド語”t-Halasgiar”からだと考えられており、意味するところは「傾いた岩」(蒸溜所公式見解)や「岩の上の家」だとする説がある。
いずれにせよ”sker”は「岩」の意であるため、タリスカーの南東に聳える岩山プレシャル・モア(Pershal More)に由来した地名だと考えられる。
【ロゴ・アイコン】
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【ボトル】
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【原料】
自家精麦
【ピート】
ミディアム・ピーテッド
【仕込み水】
Cnocnan Speireag Burn
【発酵曹】
オレゴンパイン製など x8基
(ブラジル産のパラニア松 x6基という説もあり)
ディスティラリー酵母(固形)
【発酵時間】
70時間
【蒸留器】
初留器:ボールネック [10400ℓ x2]
再留器:プレーン [7400ℓ x3]
加熱:スチーム
【冷却器】
ワームタブ
【樽】
[—] リフィル・ホグスヘッド
プレーンオーク・ホグスヘッド/北米産アメリカンオーク製
近年ポートワイン樽などを取り入れ多様化してきました。
【年間生産量】
260万ℓ
(190万ℓという説も)
【ブレンド先】
ジョニー・ウォーカー、チェイベック、アイル・オブ・スカイ
タリスカー蒸留所|特徴
タリスカーの特徴
ニューメイクスピリッツの特徴は「煙、果物、硫黄、塩、コショウ」の5種類と言われています。
タリスカー蒸溜所の設備
ウォッシュスチルは背が高く、ラインアームはU字型に大きく曲がっていて、最低点に還流を促す為のピュリファイアーが付いています。そしてワームタブを使用しています。
蒸留時には銅との接触からペッパーの要素が加えられ、ピュリファイアーパイプはオイリーさを、促進された還流からはフルーティな要素を加えると言われています。
そしてワームタブが中程度の重たさを与えます。
ハイランド・クリアランスの中生まれた蒸溜所の一つ
スコットランドのハイランド地方では1780年代から19世紀前半にかけ、後にハイランド・クリアランス(Highland Clearances)と呼ばれることになる地域住民の大規模な強制移住が行われた。
この強制移住は、英国内で羊毛の需要が急拡大したのを受け、地主達が自らの土地から借地人を追い出し牧羊地とする為に行われたのだが、同時にハイランド地方の多くの氏族(クラン)が加担した1745年のジャコバイトの反乱に対する弾圧の延長、産業革命に起因する囲い込み運動、1780年代や1816-7年の飢饉のための口減らしなどの側面も併せ持っていた。
故郷を追われたハイランダー達はハイランド沿岸部やローランド地方、あるいはその後移民として北米やオーストラリア、ニュージーランドなどへの移住を余儀なくされることになる。
ハイランド沿岸部へ追いやられたハイランダー達の受難は強制移住だけには留まらず、地主や資本家達によってハイランド沿岸部に新設された紡績や蒸溜所などの工場で安価な労働力として利用されることになる。
クライヌリッシュを設立した初代サザーランド公爵は、当時イングランドとスコットランドに莫大な土地を所有した英国有数の大地主で、自身の土地から移住させた住民は15,000人にのぼるとも言われるなど、妻のエリザベスと共にハイランド・クリアランスの中心的人物として極めて悪名高い。
ブローラの他、ハイランド・クリアランス下で誕生し現存する蒸溜所としてはタリスカー、ティーニニックなどがある。
変則的な蒸留方法
2基のウォッシュ・スチルと、一回り小さな3基のスピリット・スチルを対にする変則的な形で蒸溜を行う。
現在のアルコール生産能力は年間330万リットルとも言われています。
タリスカー蒸留所|歴史
1825年
ヒューとケネス・マカスキル(Hugh and Kenneth MacAskill)兄弟がタリスカーと呼ばれる地所の借地権を取得。住民をタリスカーの東にある汽水湖ハーポート湖(Loch Harport)沿岸の集落、カーボスト(Carbost)とポートナロング(Portnalong)へ、あるいは島外へ強制移住させ、地所を牧羊地とする。
1830年
オーナー:Hugh and Kenneth MacAskill
カーボストにタリスカー蒸溜所設立。タリスカーより移住させた住民を蒸溜所での労働に従事させる。
1840年
マカスキル兄弟破産。蒸溜所は北スコットランド銀行(North of Scotland Bank)の管理下に置かれる。
1848年
オーナー:North of Scotland Bank
1857年
オーナー:Donald MacLennan
1863年
蒸溜業に挫折。マクレナンは蒸溜所を売りに出す。
1867年
オーナー:Anderson & Co
1879年
アンダーソン社のジョン・アンダーソンが架空のウイスキーを販売した罪で収監される。
1880年
オーナー:Alexander Grigor and Roderick Kemp
アレクサンダー・グリゴール・アラン(Alexander Grigor Allan)とロデリック・ケンプ(Roderick Kemp)が共同で蒸溜所を購入。蒸溜所設備を増築、蒸溜所内に埠頭を設置する。
1892年
オーナー:Alexander Grigor Allan
ケンプが自身の持分を売却。ケンプはこの売却で得た資金でエルキー蒸溜所(現マッカラン蒸溜所)を購入する。
1894年
オーナー:Talisker Distillery Co
The Talisker Distillery Ltd.を組織。
1895年
アレクサンダー・アラン死去。アレクサンダーのパートナーでダルユーイン蒸溜所のオーナーでもあったトーマス・マッケンジー(Thomas Mackenzie)が経営権を握る。
1898年
オーナー:Dailuaine-Talisker Distilleries Co
タリスカー社はダルユーイン(Dailuaine-Glenlivet Distillers)、インペリアル(Imperial Distillers)と合併し、ダルユーイン・タリスカー・ディスティラーズ(Dailuaine-Talisker Distillers Co.)を組織する。
1916年
蒸溜所はジョン・ウォーカー・アンド・サンズ、ジョン・デュワー、W.P.ローリー、DCL(Distillers Company Ltd.)が組織したコンソーシアムにより買収される。
1925年
オーナー:Distillers Company Limited
DCLはジョン・ウォーカー、デュワーズなどを吸収。以後タリスカーはDCL、現在のディアジオの傘下にある。
1928年
3回蒸溜を廃止。
1960年
11月22日、スチルハウスを焼失し生産を停止
1962年
生産再開
1972年
モルティングを停止。以後グレン・オード蒸溜所で生産されたモルトを使用する
1986年
オーナー:United Distillers
1988年
クラシックモルトシリーズにタリスカー10年を選定
1997年
オーナー:United Distillers
1998年
スチル、マッシュ・タン、ワームタブを新調
タリスカー蒸留所|種類・ラインナップ
タリスカー
10年
酒齢10年以上の原酒をヴァッティングして作られたタリスカーのレギュラーボトル。
ユナイテッド・ディスティラリーズ社の所有する蒸留所から各地域を代表する6つの蒸留所をボトリングした“クラシックモルトシリーズ”のアイランズモルトの代表にも選ばれました。
「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の著者、R.L.スチーブンソンが「King o’Drinks(酒の王)」と評価したボトルでもあります。
樽>>
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香り>>
煙、レモン、バニラ
味わい>>
ピート、ドライフルーツ、塩キャラメル、黒胡椒
タリスカー
18年
リフィルのバーボン樽とリフィルのシェリー樽をおよそ7:3の割合でヴァッティングしたボトルです。
樽>>
リフィルのバーボン樽(アメリカンオーク)
リフィルのシェリー樽(ヨーロピアンオーク)
香り>>
オレンジピール、ドライマンゴー、フルーツパンケーキ
味わい>>
甘み、スパイス、スモーク
タリスカー
25年
25年以上熟成が可能な原酒は1万樽に1樽あるかないかといわれるくらい希少。
25年同様、バーボン樽にて30年以上の長期熟成原酒を使った「タリスカー30年」も年に一度リリースされています。
樽>>
バーボン樽(アメリカンオーク)
香り>>
長期熟成故の深い樽香
味わい>>
濃厚でやわらかな甘み、スパイス
タリスカー
40年
2019年2月末にリリースされた「ボデガシリーズ第一弾」。
ボデガシリーズはタリスカーの歴史を紐解くシリーズとして全世界で2000本限定でリリースされました。
1830年創業のタリスカーは、20世紀に入るまでほぼ全ての原酒をシェリー樽で熟成していたと言われています。
タリスカー40年は、取引記録に残る最古のボデガ(ワイン醸造所)のひとつ「デルガド・スレタ」で40年間シェリーの熟成に使われた特別な樽を使用しています。
樽>>
シェリー樽
香り>>
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味わい>>
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タリスカー蒸留所|動画