テイスティング・レビュー

徹底比較|サントリー:ポットスチルや大丸地球儀|味・評価【EXPO’70・ポートピア’81も】

皆さまはバーでこんなボトルを見たことはありませんか?ポットスチルの形をしたボトル、リュトングラス(角杯)の形をしたボトル、ゴルフボールの形をしたボトル…どれも非常に興味を惹かれます!

さて、今回はそんな特徴的な形をしたボトルを4種類見つけることができまして。眺めて楽しんでいた訳なんですが…その味が気になってしまい…

味くらべ…させて頂きました!!

今回の味くらべはこの4種類!

  • サントリー EXPO’70
  • サントリー スペシャルリザーブ_ポートピア’81記念ブイボトル
  • サントリー エクセレンス 地球儀ボトル
  • サントリー エクセレンス ポットスチルボトル

それではどうぞ!

ボトル詳細
サントリー EXPO’70

発売|1970年
コンセプト|大阪万博の開催記念

発売は1970年。ローヤルの発売から10年が経っています。
「ローヤルでは満足できなかったサントリーが、万博に合わせ、世界に向けて全く新しいブレンデッドウイスキーを作った!」と捉えるとまた面白いですね。

そんなブレンデッドウイスキーは一体どのような味がするのでしょう。楽しみです。

スペシャルリザーブというウイスキー

サントリーはスペシャルリザーブというボトルを1969年に発売しています。サントリーの前身、寿屋の創業年の1899年からかぞえ、70周年を記念して発売されたと言います。

また、大阪万博も明確に意識して作られていて、製品開発の際に「海外から来たお客さんが見ても、見劣りのしないウイスキーを」という佐治の号令があったそうです。

発売当時の「国産品と呼ばずに、国際品と呼んでください」というコピーからもわかるように、1971年の舶来ウイスキーの自由化によりできあがった舶来vs国産という構図に世界基準品質という概念を取り入ることで、同社のウイスキーのブランドイメージを確立させようという狙いもあったそうです。

サントリー EXPO’70
ボトルデザイン

ボトルキャップは差し替えられていました。

サントリー スペシャルリザーブ
ポートピア’81記念ブイボトル

発売|1981年
コンセプト|神戸ポートアイランド博覧会限定

神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)のウォーターランドで数量限定品として販売されたボトルです。ウォーターランドではこの他にエクセレンス品のアンカー(錨型)ボトルが発売されていたそうな。

ボトルに書かれたスペシャルリザーブの文字から、中身は前述したスペシャルリザーブだと考えています。エクセレンスのアンカーボトルと混同されがちなので注意したい所です。

日本パッケージデザイン賞

このボトルは、当時サントリーのデザイン室勤務だった中崎宣弘氏がデザインしたボトルです。アンカーボトルと共に日本パッケージデザイン賞を獲得しました。

サントリー スペシャルリザーブ ポートピア’81記念ブイボトル
ボトルデザイン

サントリー エクセレンス
地球儀ボトル

発売|1983年
コンセプト|大丸梅田オープン記念

エクセレンスというウイスキー

そもそもエクセレンスとはなんぞやという話なんですが。

時は1971年、バーボン、コニャックに次いで遂にスコッチウイスキーの輸入が自由化されました。翌年には関税も引き下げられ(とは言え現在よりは随分高価でしたが)、本番スコッチが手の届く存在になりました。
それは、多くの日本人が「本場」のウイスキーに触れ、一部の紛い物の粗悪さに気付く事に繋がりました。

そんな1971年に「ウイスキー自由化後はじめて世に問う超高級ウイスキー」として発売されたのがエクセレンスというボトルです。製造は2004年まで継続されていました。

エクセレンスはキルンの形状をしたボトルがスタンダードですが、このボトルのように実に様々な形状の限定ボトルが販売されています。
86年には1万円で売られていたそうですから、現在の2万円以上の価値感覚。当時はさぞや「憧れの高級ウイスキー」だったんでしょう。

※誕生のきっかけには多説あり。創業80周年記念や皇室献上用として…など。しかし、80周年記念説の場合、サントリーの前身「鳥居商店」でも操業は1899年なので計算が合わない

大丸オリジナル
スペシャルエイジ

ちなみにニッカも大丸ボトルを出しています。そのボトルの名前は「大丸オリジナル スペシャルエイジ 」。特級、750ml、alc.43%、当時の販売価格は8,000円。

このボトルが大丸開業に合わせて作られたボトルなのか、それとも大丸限定で販売していただけなのかは分かりません。

スペシャルエイジとは

1974年(昭和49年)にニッカの創立40周年を記念して発売したブレンデッドウイスキーです。スペシャルエイジというウイスキー自体は大丸オリジナル発売の10年ほど前から販売されていたんですね。

それを考えると、このボトルは大丸梅田店オープンに合わせて発表したのでは…と考えたくなります。サントリーの開業ボトルとニッカのボトルが横に並んでいたのでは…と考えると面白いですよね。

ただし、だからこそ大丸梅田店オープン記念ボトルだと誤解して広まっている可能性も十分に考えられます。サントリーの地球儀ボトルと形が似ている為、それと混同して販売している店舗様も少なくありません…なんともミステリアスなボトルです。

ちなみにスペシャルエイジには2種類あり、
スペシャルエイジ 陶器ボトルは1974年11月〜1982年、スペシャルエイジ は1982年11月〜1989年まで生産していました。

サントリー エクセレンス 地球儀ボトル
ボトルデザイン

サントリー エクセレンス
ポットスチルボトル

発売|1986年

山崎一号蒸留機を模して作られたボトルです。
発売当初の価格は1万円。ハッチのレバーは動きません。

やっぱりニッカもポットスチルボトルを生産していました。期間は1971年から1980年代後半まで。製品名やボトルの色は年代によって異なります。

1971年〜|特級、余市1号ポットスティル 1934年型
1980年〜|ボトル色:真鍮色(特級、キングスランド デカンター)
1982年※|ボトル色:プラチナ(特級、キングスランド デカンター)
※プラチナはこの時期のみ販売

サントリー エクセレンス ポットスチルボトル
ボトルデザイン

サントリー・オールドボトル|テイスティング

それではテイスティングに入りましょう。
販売当時に想いを馳せ、歴史を噛み締めながら味あわせて頂きます。

それではEXPO ’70から。

頂きます!

サントリー
EXPO’70

経年の影響でしょうか。とても繊細な香味でした。

香り
繊細な香り。キウイも?

味わい
飲み進めるとブドウの甘さが出てきます。薄い渋み

サントリー スペシャルリザーブ
ポートピア’81記念ブイボトル

甘いですね!シェリー感はポットスチルに比べて控えめです。

香り
穀物…ミントも?青いバナナ、穀物

味わい
メロン。綿菓子。アクセント程度の渋みと苦味

サントリー エクセレンス
地球儀ボトル

甘い!
そして油分たっぷり!!

香り
バター、アーモンド、桃、濃いシェリー。渋みは極々薄い

味わい
コニャックのような甘味からバナナ、バニラ、パイナップルに変化 極甘ボトル

サントリー エクセレンス
ポットスチルボトル

加糖してますか!?
激甘です。「その昔、日本のウイスキーは水で割る事を前提に味作りをしていた」と聞いたことがありますが…この味わいに関係があるのでしょうか。

香り
バニラ強め、熟れたバナナ、レーズン

味わい
シェリーの奥に少しのスパイシー

サントリー・オールドボトル|まとめ

いや〜楽しかったです!味だけでなく目でも楽しませて頂きました。

これらのボトルは、中身は特別なものではないという点もいいですね。カスクストレングスやスモールバッチの製品ではない所が良い。

当時流通していた一般的なものを瓶詰めしているという事は、より「昔」を実感できる事に繋がるように思えます。このボトルを飲ませていただいている時、昭和の時代にタイムスリップした気持ちになりました。

歴史をご馳走様でした。ありがとうございます!

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