マッカラン。
その「シングルモルトのロールスロイス」と評される酒質はあまりにも有名です。
そんなロールスロイスにまつわる話を一つ。皆様はこんな経験はないでしょうか。
良い樽使ってますわ!!ガッハッハ!
そう!マッカランの話になると始まりがちなマウンティング!
これは海を越えた台湾でも起こります。驚きました。
悔しい…悔しい…
…
…と言う訳で飲み比べてみました!
マッカランって本当にゴム臭い?
そんなに味が変わったの?
この記事は貴方の知的好奇心を満たす為、もしくは突如降りかかる理不尽に対抗する為の材料として使って頂けると幸いです。
それではどうぞ!
マッカラン旧ボトル|用意
用意したボトルは3本。
マッカラン SHERRY OAK CASK
・12年|90年代流通
・12年|旧ボトル
・12年|現行品
それぞれ形状が違いますね。
まず、90年代流通は円柱型。
旧ボトルは現行ボトルに近い楕円型ですが、上部のV字シェイプがありません。
現行ボトルのラベルには樽の絵と「SHERRY OAK CASK」の一文が載せられています。
次は裏のラベルを見ていきましょう
マッカラン旧ボトル|裏のラベル
裏のラベルは以下のようになっています。
MACALLAN/マッカラン12年
90年代流通
内容量|750ml
アルコール度数|43%
この頃はまだサントリースピリッツが「サントリー株式会社」だった頃。住所も東京でなく大阪です。
MACALLAN/マッカラン12年
旧ボトル
内容量|700ml
アルコール度数|43%
容量が50ml少なくなりました。また、住所及び取引先が大阪市北区から東京都港区に変わっています。
MACALLAN/マッカラン12年
現行品
内容量|700ml
アルコール度数|40%
アルコール度数が3%落ちました。
SNSのアイコンが配置されているのが現代的ですね。
マッカラン旧ボトル|テイスティング
12年(90年代流通)の色の濃さが目立ちますね。18年(旧ボトル)並みです。
※突然18年(旧ボトル)が登場して申し訳ありません
ラベルを眺めていると程よく香りが立ってきました。さぁ、テイスティングに参りましょう!
…頂きます!
▼
▼
▼▼
▼
▼
MACALLAN/マッカラン12年
90年代流通
香り
甘くシェリー
色は一番濃い
味わい
濃いシェリー、スパイス
程よいボディ、洗練感
90年代流通を一言で表すと
真っ当なシェリー
MACALLAN/マッカラン12年
旧ボトル
香り
香りは薄くもシェリー感有
酸味は強くも渋さは弱め
味わい
口に含むと香りの薄さは何処へやら
パワフル、酸味、スパイス
旧ボトルを一言で表すと
強い酸味、弱い渋み
MACALLAN/マッカラン12年
現行品
香り
これがゴムでしょうか
前2つにはない、シェリー以外の何か
味わい
あぁ…
ビターチョコレートのような
コンクリートのような
焦げた肉のような…
そんな味わい
現行品を一言で表すと
ゴム
※シェリー樽熟成のウイスキーで感じる事が多い「スパイス、酸味、渋み」が感じにくい点は見事です。まとまりもあります。
MACALLAN/マッカラン
18年 旧ボトル
香り
ゴム、そして穀物
味わい
シェリー…そして苦味も感じます
スイートを内包するゴムのよう
18年(旧)を一言で表すと
スイートを内包するゴム
※このボトルでゴムを感じたなら12年(旧ボトル)でもゴムを感じるのではないか。 別記事で再検証致しました。
ドロナックにゴムはある?
ふと思い付き、シェリー樽界の良心グレンドロナックとも飲み比べてみました。
「コスパが良いシェリー樽系ウイスキー」と評判のドロナックを飲めば更に理解が深まるでしょう。
いざ、テイスティン…
…
ドロナックも苦味があるのでは?
苦味が軽くなってはいますが…香りもマッカラン18で感じたような瑞々しさ…穀物?この穀物が予兆となるのでしょうか??渋みも感じます。
飲む順番が影響していたのかも。マッカラン、ドロナック、共に再テイスティングします。
▼
再テイスティングしました
記事:マッカラン12年 -旧ボトル/ダブルカスク-
記事:グレンドロナック_CASK batch7/12年/21年/ピーテッド
マッカラン旧ボトル|まとめ
それぞれ美味しゅうございました。早速テイスティングのまとめに入りましょう。
まずは90年代流通のまとめから。どうぞ!
MACALLAN/マッカラン12年
90年代流通
・OFFICIAL COMMENT・
ー
▼
真っ当なシェリー
特徴 | 甘く濃いシェリー。程よいボディ。12年にしては色が濃い |
---|---|
飲みたい場面 | オールデイ |
定価 | 約50,000〜80,000円(オークション価格) |
MACALLAN/マッカラン12年
旧ボトル
・OFFICIAL COMMENT・
ー
▼
強い酸味、弱い渋み
特徴 | 香りは薄くもシェリー感。味わいはパワフル。酸味とスパイス |
---|---|
飲みたい場面 | オールデイ |
定価 | 約8,000円(オークション価格) |
MACALLAN/マッカラン12年
現行品
・OFFICIAL COMMENT・
バニラにほのかなジンジャー。濃厚なドライフルーツとシェリー
▼
水に溶いたシェリー・ビター・ゴム
特徴 | 洗練感。水に溶いたシェリー。ビターチョコレート、焦げた肉 |
---|---|
飲みたい場面 | オールデイ |
定価 | 7,000円 |
価格比較 | やはり価格は高め。その洗練感と経験値の為に購入する価値は有。グレンドロナックやファークラスなどと味比べをすると更に楽しめる。 |
MACALLAN/マッカラン
18年 旧ボトル
・OFFICIAL COMMENT・
ー
▼
スイートを内包するゴム
特徴 | 穀物・シェリー・苦味・スイート |
---|---|
飲みたい場面 | オールデイ |
定価 | ー |
価格比較 | 洗練感。しかしドロナック21年が17,000円で購入できる中で30,000円を超える金額を支払うのは勇気が必要。佳酒である事は間違いない。その体験は糧となる。 |
90年代流通の濃いシェリーには驚かされました。
現行品がゴムと言われるのも分かります。味、香りの違いをハッキリ感じます。
しかし現行品に光る部分が無いのかと言われると話は別です。
現行品には、現代のシェリー樽系ウイスキーで感じやすい渋みと酸味、スパイスを感じにくいという特徴があります。これは個人的に好ましい特徴です。
マッカラン|香味の考察
90年代流通のマッカラン。大変美味しゅうございました。しかし、この味わいは一体どこからやってくるのでしょうか。
そのヒントは原酒の蒸留年にあるかもしれません。
90年代流通の原酒は、おそらく1970-80年代以前に製造、樽詰めされたものを使用しているでしょう。
その頃はちょうどマッカランが大量生産に舵を切った頃。自社樽の製造が始まった年代でもあります。少し前にはゴールデンプロミス種の大麦の使用も始めたはず。味が切り替わり始めました。
そしてこの12年という数字は最低熟成年数を表す言葉。20年前、30年前の原酒が混ぜられていることも十分考えられます。
という事は。
この90年代流通というボトルは「味が切り替わり始めた頃の原酒と、切り替わるその前の原酒が混ざった、今と昔の架け橋となるボトル」と言えるのではないでしょうか。
歴史をご馳走様です。
ご覧頂き有難うございます。もしよろしければ別の記事もご覧頂けると幸いです。それでは!
※もっと違うらしいです
マッカラン|口コミや評価・評判
【新入荷】マッカラン12年 旧ラベル
とうとう手に入れてしまいました。
80年代から90年代前半に流通していたラベルのようです。
旧ラベルの中でも微妙な書体違いなどで見分けられるんですね。
シェリー樽だけを使って熟成させていた時代のこだわりのマッカラン。さすが良い色です。 pic.twitter.com/CbP6oqntIk— 井戸端洋酒店 (@idobata_liquor) September 10, 2020
同席させて頂いたフォロワーの方のご好意でテイスティングさせて頂きました(*´ω`*)
90年代流通のボトルとのこと…
色もそうですが味も現行と結構違いますね~美味しいマッカランでした(*´∀`)アリガトウゴザイマス💕 pic.twitter.com/YxzbQon0qP
— まさみち (@colnagoboy7) September 4, 2020
90年代流通マッカラン12年あり〼#マッカラン#TWLC pic.twitter.com/BAPvYpiIN0
— 参段 (@whiskycat1494) December 18, 2020
この時間のマッカランはうめえ👼💘 pic.twitter.com/eHrBfEpI87
— 💘アプロ姉👼女神🥃 (@apuro18) December 26, 2020
関連記事