テイスティング・レビュー

ラフロイグ30年 1990年代流通(オールドボトル|特徴解説 価格評価【★】

ラフロイグ30年・90年代流通

Ichiro’s Point
ラフロイグ30年 90年代流通

93Pt

官能評価:★★★★☆_Recommend
コストパフォーマンス:★★★★

ラフロイグ30年(90年代流通)|蒸溜所・価格

アイラモルト
ラフロイグ30年 90年代流通
LAPHROAIG 30Yo 1990’s

ラフロイグはその重厚で個性的な味わいが魅力のウイスキーです。熟成を経るとスモーキーさが薄れ違った良さが現れるのもポイント。短熟、中熟、長熟それぞれに良さがあり、熟成年数にこだわりを持つファンは少なくありません。

このボトルはかの偉大なラフロイグ1974よりさらに昔のヴィンテージ。かの高名なベッシー・ウィリアムソン女史が現役の頃に作られたラフロイグ。期待せずにはいられません。

蒸溜所 ラフロイグ
熟成年数 30年
樽材
度数 43%
売価 約150,000円(現行品の同熟成年数を参考)

ラフロイグ30年(90年代流通)|ラベル・ボトルデザイン

ラフロイグ30年(90年代流通)|味・香り

アイラモルト
ラフロイグ30年 90年代流通
LAPHROAIG 30Yo 1990’s

〜 香り/Nosing 〜
深く穏やかな麦芽の海へ沈み込む

穏やか。香ばしい麦芽が詰まったキルンの中へ沈み込む。
時の流れがこのボトルを穏やかにさせつつも、たまに顔を出すラズベリーの甘酢っぱさは少女の頃を見ているようで。
探れば探るほど新しい一面を見せる美魔女のようなラフロイグ。
レモンや桃、焦げた小麦のバランスが大人しくめにまとまっている。
ややレモン強めか。ナッツ、甘酢。

〜 一滴加水/Add Water 〜
馴染む

〜 味わい/Tasting 〜
レモンと桃の織物
黄と赤のフルーツで折り込まれたビロードの舌触り。
長くそこに置かれているのだろう。時の流れを感じるが、大切に丁寧に扱われているのが目に取れる。
この上を通っていった人々…子供や少年、大人たちの思い出が次々に浮かび上がる
ややオイリー。ややタンニンだが滑らか。僅かに樽感。柔らかいレモンと桃が消えずに膨らむ。やわらかい甘酢、柔らかいレモン、溶けたチョコレート

〜 余韻/Finish 〜
上品に柔らかく膨らむ

〜 同量加水/Twice up 〜
レモンと杏
水に溶かしたレモン果汁
杏、澄んだ酸味。薄いミロ

Ichiro’s Point
ラフロイグ30年 90年代流通

93Pt

官能評価:★★★★
コストパフォーマンス:★★★★

ラフロイグ30年(90年代流通)|評価・レビュー

とてもイマジネーションが湧くボトルでした。

知人と一緒に飲んでましたが、「穏やか」「赤い果実(クランベリー)」といった感想は共通で。茶碗蒸しのような出汁感や枇杷、燃やしたクローブといった要素も挙がりました。

 

現行のラフロイグ10年と、90年代流通の15年、30年の比較テイスティング

3本を飲み比べる事でラフロイグのハウススタイルをより感じることが出来ました。香味は熟成を経るごとに穏やかに感じます。
10年は澄んだレモン果汁とパワー。15年はレモンと桃。焦げたトースト30年は美魔女。それぞれに良さを感じます。

 

左から10年、30年、15年のグラス

オールドラフロイグは取り扱いが難しいと話す方も少なくありません。それは「ラフロイグファンは力強さに惹かれているから、熟成を経て柔らかくなったものでは満足できない」という理由です。

 

ボトルトップは木製。側面には溝が。天面はツルンとしています

ボトル裏ラベル。輸入はサントリーに変わっています

私も初めて長熟ラフロイグを飲んだ時は驚きました。しかしそのお陰で若いラフロイグの良さを再確認できました。その後、時間はかかりましたが長熟ラフの良さを理解する事もできました。

魅力溢れる長熟ラフロイグ。皆様も一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた。

ラフロイグ30年(90年代流通)|飲ませて頂いたお店

おなじみSIMONさん。ぺこり。

ラフロイグ30年(90年代流通)|口コミ・評判

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Ichiro
ウイスキーエキスパートのバーテンダーです。アイラ沼からやって来ました。得意技はタックルに合わせたフロントチョーク。苦手な技は足関節。人に助けられて生きてます。