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ラフロイグ蒸留所|名前の由来や味・香り。歴史やブレンド先、資本元【スコッチウイスキー・アイラ】

ラフロイグ蒸留所|スペック

【会社】
ビーム・サントリー社

【国】
スコットランド/アイラ島/ポートエレン
地区:アイラ

【名前の由来】
多説あり
蒸溜所>>
「広い湾のそばの美しい窪地」”the beautiful hollow by the broad bay”の意(根拠不明)
アイラ島生活博物館が発行した資料>>
「洞窟のある窪地(hollow where cave is)」を意味するゲール語”lag fròig”、もしくは大昔この地域が”Freag”と呼ばれていたことに由来するのではないかと

【ロゴ・アイコン】
“平和の楯”
プリンス・オブ・ウェールズの紋章。王室御用達の証。

【ボトル】

【原料】
大麦:オックスブリッジ種
※8割をモルトスターに委託。2割を自社精麦。

【ピート】
40~45ppm
※ニューメイクのフェノール値はおよそ18ppm

【仕込み水】
The Kilbride reservoir

【発酵曹】
ステンレス製 x—基

【イースト】

マウリ社:リキッドイースト

【発酵時間】
55時間以上

【蒸留器】
初留器:オニオン [10,500ℓ x—] 再留器:オニオン [4,900ℓ x—] 加熱:Oil-fired boiler

【冷却器】
Vertical multipass copper tubed condensers

【樽】
[バーボン樽] —
[シェリー樽] —

【年間生産量】
330万ℓ

【ブレンド先】
アイラミスト、アイラジャーニー

ラフロイグ蒸留所|特徴

特徴

オイリー、タール、ヨードチンキ

製法状の特徴

ピート>>
アイラ空港近くの湿原にある専用ピートボグ(泥炭採掘場)から掘り出したものを使用しています。
ヘザー(ツツジ科)とコケ類・海藻を含んだ比較的水分量の多いピートで、強烈なピート・ヨード香を含ませます。

フロアモルティング>>
総使用量の20%

大麦が湿っている最初の12時間、ラフロイグ専用ピートで焚きあげピート香をよく付着させます。
次に18時間、ピートの熱とともに入り江から吹き込む潮風も取り込み、甘みを含んだ燻煙でラフロイグ独自の麦芽をつくりあげていくのです。

ラフロイグのフロアモルティングにより作られた大麦麦芽は、ポートエレン精麦所で作られたものよりフェノールの特徴を生み出すと考えられています。
タール、ヨウ素の要素は特別でしょう。

ミドルカット>>
長いフォアショット:エステル香を削減
ディープカット:重いフェノール値を獲得(アードベッグやラガヴーリンと比較)
※上記理由により、独特の甘い香りは樽由来のものと考えられています。

樽>>
主にバーボン樽を使用しますが、一部のシェリーカスクは長期熟成用として使用されています。

世界で最も売れているアイラウイスキー

今世界で最も売れているアイラのウイスキーはラフロイグです。
※生産量はカリラがナンバーワン

禁酒法とラフロイグ

1920年にアメリカ合衆国で施工された禁酒法によりスコッチ・ウイスキーの輸入も停止されましたが、ラフロイグは「薬用酒」の名目で例外的に輸入が認められていました。

英国王室御用達

イギリスのチャールズ皇太子により英国王室御用達(ロイヤルワラント)を得ました。これはシングルモルトウイスキーとしては初めてです。
アイラモルトの特徴を強く持った酒質もあり、アイラモルトの王様と呼ばれています。

イチロー
イチロー
ちなみにボウモアは「アイラの女王」
ジロー
ジロー
アイラ島自体は「ヘブリディーズ諸島の女王」と呼ばれています

スコッチ初の女性所長

1954年、ベッシー・ウィリアムソンがスコッチウイスキー史上初の女性の蒸溜所長となりました。元々秘書であり、製造とは無縁の彼女でしたが、彼女の貢献は偉大でした。

独自のフロアモルティングにより品質を保持しつつ生産性を高めることに成功。
また、熟成にテネシー産のバーボン樽の樽熟成を導入するなどして現在のラフロイグの製造プロセス・レシピを確立しました。

ベッシー・ウィリアムソン氏の手法が現在のラフロイグの名声を産んだと言っても過言ではありません。

ラフロイグ蒸留所|歴史

1815
オーナー:The Johnston Family
アレクサンダーとドナルド・ジョンストン(Alexander and Donald Johnston)兄弟により設立。

1836年
ドナルドがアレクサンダーの持分を買取り単独オーナーとなる。

1837年
蒸溜所の至近距離にArdenistiel蒸溜所が設立される。

1847年
ドナルドが蒸溜所内での事故により死亡。(沸騰したポットスチルの中に落ちたと言われています
ラフロイグは当時ラガヴーリン蒸溜所の支配人だったウォルター・グラハム(Walter Graham)の手に渡る。

1857年
ドナルド・ジョンストンの息子ドゥーガルド(Dougald)が蒸溜所を買い戻す。

1860年
Ardenistiel蒸溜所と合併。

1877年
ドゥーガルド・ジョンストン死去。ドナルドには後継者がいなかった為、妹のイザベラ(Isabella)とその夫アレクサンダー(Alexander Johnston)が蒸溜所を相続する。

1907年
アレクサンダー死去。アレクサンダーの姉妹キャサリンとイザベラ(Catherine and Isabella)が相続。

1908年
ドナルドの曾孫、イアン・ハンター(Ian Hunter)が入所。
この頃ラガヴーリンとの間に起訴問題を抱える。

起訴問題とは

ラガヴーリン蒸溜所が19世紀半ばから保有していたラフロイグの販売代理権を喪失する。これは水利権でラフロイグ蒸溜所と揉めた為と言われる。Mackie & Co.はラフロイグを提訴するが敗北。逆に水利権に関してラフロイグから提訴される。
同年、ピーターはラガヴーリン蒸溜所の敷地内にモルト・ミル(Malt Mill)と名付けられた蒸溜所を設立。ラフロイグ蒸溜所からわずか数マイルに位置するこの蒸溜所は、ラフロイグのコピーを生産する(そしてラフロイグの売上を奪取する)目的で建てられたが、成功しなかった。

1924年
ポットスチルを4基に増設。

1927年
キャサリン死去

1928年
イザベラ死去。イアンが新たなオーナーとなる。

1954
オーナー:Bessie Williamson
イアン死去。イアンの秘書だったエリザベス「ベシー」ウィリアムソン(Elisabeth “Bessie” Williamson)が蒸溜所を相続。

1962
オーナー:Schenley Industries

1967年
シーガー・エヴァンス(Seager Evans and Co.)が蒸溜所を買収。同年スチルを5基に増設。

1972年
ベシー・ウィリアムソンが支配人を引退。スチルを7基に増設。

1975
オーナー:Whitbread & Co
シーガー・エヴァンスがウィットブレッド(Whitbread & Co.)により買収される。

1989
オーナー:Allied Lyons
ウィットブレッドがスピリッツ部門をアライド・ディスティラーズ(Allied Distillers)に売却。

1994
オーナー:Allied Domecq
チャールズ皇太子によりロイヤルワラント認定。

同年
ラフロイグの友(FOL)発足。
現在、638,000人を超える会員がいると言われています。イアン・ヘンダーソンのマーケティングの一環として、会員はアイラの1フィート四方の土地を与えられます。

2005
オーナー:Beam
アライド・ドメク(アライド・ディスティラーズの親会社)が仏ペルノ・リカール(Pernod Ricard)により買収されアライド・ディスティラーズは解散、ラフロイグは米フォーチュン・ブランズ(Fortune Brands、後のビーム)へ売却される。

2014
オーナー:Beam Suntory
ビームがサントリー・ホールディングスにより買収される。以後蒸溜所は現在に至るまでサントリー傘下にある。

ラフロイグ蒸留所|種類・ラインナップ

ラフロイグ 10年

ラフロイグの伝統が詰め込まれた「10年」。
ヨード香、ピート、そしてモルト由来の柔らかな甘さは個性的な味わいで、長年愛され続ける1本です。

樽>>
バーボン樽
香り>>
甘みを帯びた巨大なピート、ヨウ素、海藻(近年少し甘くなっている)
味わい>>
塩味と滑らかでややオイリーなコク、胡椒、スパイス

ラフロイグ セレクトカスク

ペドロヒメネス・シェリー樽、ヨーロピアンオーク・シェリー樽、バーボン樽で熟成したモルトをブレンド(ヴァッティング)後、アメリカンオークの新樽で後熟。
多彩な樽で熟成した重層感があり、スモーキーにシェリーの心地よい甘美さがそよぎます。ロックがおすすめ。

樽>>
シェリー樽:ペドロヒメネス、ヨーロピアンオーク・シェリー
バーボン樽:—
→ヴァッティング後、新樽(アメリカンオーク)で追熟
香り>>
スモーキー・ココナッツ・バナナ
味わい>>
重厚なスモーキーに柔らかな甘み

 

ラフロイグ クオーターカスク

クオーターカスクとは19世紀当時、馬の運搬用の樽として利用されていた小樽(約125ℓ)のこと。
通常の樽より小さい樽で熟成することで、樽とウイスキー原酒の接地面積が増えて熟成が早まる効果があります。

また昔の運搬手段(馬の背中に小さな樽を乗せ、揺られるうちに丸みを帯びたモルトができていた)からヒントを得て製品化した事から、「昔のラフロイグを再現した」とも言われています。

樽>>
バーボン樽
※通常のバーボン樽で熟成した原酒を、1stフィルバーボン樽を解体したクオーターカスクに詰めて熟成
香り>>
オイリー、バター、樽由来の木の香り、ピートの燃えかす、ココナッツ、バナナ
味わい>>
フルボディ、複雑でスモーキーでありながら優しい甘さ

ラフロイグ LORE

ダブルマチュアード製法で熟成されたラフロイグ。
ラフロイグ蒸溜所マネージャーのジョン・キャンベル氏が、1815年の創業以来受け継がれてきた技術と経験を次世代へ伝承LORE(ロア)するという情熱を込めてつくりあげた商品です。

樽>>
新樽:ヨーロピアンオーク
バーボン樽
※原酒をヨーロピアンオークの新樽で熟成後、ファーストフィルバーボン樽に詰め替え熟成。その後数種類のモルト原酒をヴァッティングし、バーボン樽で追熟
香り>>
潮、ミネラル、ピート、ビターチョコレート
味わい>>
バニラ、ナッツ、クリーミー、唐辛子、スパイシー

ラフロイグ 18年

終売商品(2015年発表)
バーボン樽で18年以上の長期熟成原酒をバッティング、冷却せず常温でろ過しています。
10年と比べると、潮の香りやピート香は深く豊かさが増し、フルーツやバニラのような甘みが現れ飲みやすい。

樽>>
バーボン樽
香り>>
トースト、塩辛いバター、オレンジジュースとコーヒー。リンゴ、ココア、バナナ
味わい>>
塩気、香辛料、ピート、スターアニス(八角)、ダークチョコレート、プルーン

ラフロイグ蒸留所|動画