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ラガヴーリン蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・アイラ地方】

ラガヴーリン蒸留所|スペック

【会社】
ディアジオ社

【国】
スコットランド/アイラ島/ポートエレン
地区:アイラ

【名前の由来】
「湿地の中の粉挽き小山」もしくは「水車のある窪地(ゲール語)」の意

【ロゴ・アイコン】

【ボトル】

【原料】
大麦:ポートエレン製麦所

ポートエレン製麦所とは

旧UD社(現ディアジオ社)が建てたもので、カリラやラガヴーリンなど自社の蒸溜所のほかにアイラ島全域の蒸溜所のモルトを供給するために建てられた製麦所

【ピート】
34〜38ppm
16時間かけてピートを焚きながら発芽

【仕込み水】
ソラン湖

【発酵曹】
カラマツ製 x10基

【イースト】
イーストリキッド:マウリ社

英国本土から専用のタンクローリーで運ばれる

【発酵時間】
55時間以上

【蒸留器】
初留器:ストレート [10,500ℓ x2] 再留器:ストレート [11,500ℓ x2] 加熱:スチーム式

【冷却器】
Shell and tube

【樽】
[バーボン樽] アメリカンオーク/リフィル
[シェリー樽] ヨーロピアンオーク

【年間生産量】
—万ℓ

【ブレンド先】

ラガヴーリン蒸留所|特徴

原酒の特徴

スモーキーな香味が世界中で愛されている今、ラガヴーリンの海岸と湿地帯、パイプスモーク、Lapsang Souchong、bog myrtle、濃厚なダークフルーツは大変な人気を誇ります。

発酵時間は当初より短縮されましたが、穀物の風味が新たに追加されました。

蒸留器の特徴

ラインアームはかなり急で下向きに伸びています。

スチルの形状やラインアーム、そして初溜に5時間、再溜に10時間というスローディスティレーションが、ラガヴーリンのスモーキーかつ図太くフルーティな味わいを原酒に与えているといわれています。

アイラの巨人

地元の島民にも古くから愛されるウイスキーでラフロイグとボウモアに抜かれるまではアイラ島で最も飲まれていたウイスキーでした。

ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏が出版した「モルトウイスキー・コンパニオン」にてラガヴーリンのことを「アイラの巨人」、「まるでラプサンスーチョンのようにスモーキー」と絶賛

ラプサンスーチョン

ラプサンスーチョンとは中国産の非常にスモーキーな紅茶で、紅茶好きの英国人が好んで飲む通好みの紅茶

好調に見えたラガヴーリンでしたが、1990年〜2000年にかけて売り上げ量がラフロイグとボウモアに抜かれてしまいます。

その理由は、スタンダードボトルの熟成年数にありました。

ラガヴーリンはホワイトホースなどのブレンデッドウイスキーに原酒を提供している他、シングルモルトも最低16年熟成してからリリースしている為、需要に対する生産量が追いつかなくなってしまったのです。

ラフロイグは10年、ボウモアは12年熟成したものをスタンダードとしていた為、回転効率がいいわけですね。この結果は仕方がないとしかいいようがありません。

また1980年代の不況時代には、週に2日しか蒸溜所が稼動できないということも影響して、2000年になると16年ものの原酒が枯渇するという深刻な事態に陥ってしまいます。

その結果、1990年になると売り上げはボウモアとラフロイグに抜かれてしまったのです。

現在の販売数量は

ラフロイグが350万本

ボウモアが200万本

ラガヴーリンが190万本

という結果。

その次にはアードベッグが年間100万本に迫っている状況です。

モルトミルの樽が映画に

モルトミルの(架空の)樽が、映画監督のケンローチのコメディ、「The Angel’s Share」で中心的な役割を果たしました。

ラガヴーリン蒸留所|歴史

1700年代
既にポートエレン一帯には密造酒造の蒸溜所が10箇所ほど存在したという記録が残されています。

1816
オーナー:John Johnstone
キルダルトン海岸にラガヴーリン蒸溜所が設立されました。

1837
オーナー:Donald Johnstone

1852
オーナー:James Crawford Graham

1867
オーナー:Mackie & Co
ブレンダーのJohn Logan Mackieが蒸溜所を購入。一般に広く知られるきっかけとなる。(1889年という説もある)

1878年
甥のPeter J. Mackieがアイラ島の蒸溜所を周った後、ラガヴーリンの生産を引き継ぎました。

1890年
Peter J. Mackie、ブレンデッドウイスキーのホワイトホースを開発。
キーモルトとしてラガヴーリンを使用。
PeterはCraigellachie蒸留所を共同設立したりもしました。

1908年
Peter、ラフロイグを失った為、ラガヴーリンにモルトミルというラフロイグのレプリカ蒸溜所を建設しました。しかしラフロイグの特徴を得ることはできなかったと言われています。

1924
オーナー:White Horse Distillers

1927
オーナー:Distillers Company Limited

1962年
モルトミル閉鎖

1974年
フロアモルティング廃止

1986
オーナー:United Distillers

1989年
クラシックモルトにラガヴーリン16年が加わる

1997
オーナー:Diageo

ラガヴーリン蒸留所|種類・ラインナップ

ラガヴーリン
16年

ドライでスモーキー、ヨード臭と潮の風味が上手くまとまり、シェリー樽からくる甘味・フルーティがうまく同居しているスタンダードにして傑作ともいえるべきボトル。
一度口にすれば記憶に残る銘柄となるのは間違いありません。

蒸溜所からは「16年物には、シェリー樽を使用していない」と公表していますが、ウイスキー愛好家達の間ではセカンドフィル(シェリー樽の再々使用)以降の樽を使用しているとのではないか…という憶測が立てられています。

カラメルが影響しているのではと言われています。

樽>>
バーボン樽
香り>>
アイラ島で最もスモーキー。ヨウ素、甘い香辛料、成熟したシェリーとバニラが漂う
味わい>>
非常に豊か。麦芽とシェリーが芳醇に広がり、フルーティーな甘さ。そして強烈なピートとオーク
余韻>>
長い、スパイシーな仕上げ、イチジク、ピートとスモーキー、バニラ

ラガヴーリン蒸留所|動画

 

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ジロー/ Giraud
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気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。