6g_アイランズ

ハイランドパーク蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・アイランズ地方】

ハイランドパーク蒸留所|スペック

【会社】
エドリントングループ
(販売はレミーコアントロー社が行なっています)

【国】
スコットランド/Orkney/Kirkwall
地区:アイランズ

【名前の由来】
蒸溜所がハイパークと呼ばれる高台にあったことに由来します。

【ロゴ・アイコン】
「h」をスカンディナビア風にアレンジ

【ボトル】
2017年にバイキング調を強調したデザインに

【原料】
ノンピート:シンプソンズ社製
ピーテッド:自社精麦

自社精麦したモルトは全てフロアモルティングで発芽させています。

【ピート】
ノンピート:80%
10ppm:20%

ニューメイクは3ppmほどと言われています

【仕込み水】
蒸留所下のクランティットの井戸水(硬水)
(以前はカティアギーの泉)

【発酵曹】
オレゴンパイン製 x10基
シベリア産カラ松製 ×2基

【イースト】

ケリー社製リキッドイースト(M、MX)

【発酵時間】
52-96時間

【蒸留器】
初留器:ストレートヘッド [18,000ℓ x2] 再留器:ストレートヘッド [12,000ℓ x2] 加熱:スチーム式

【冷却器】
シェル&チューブ

【樽】
[シェリー樽] ヨーロピアンオーク、アメリカンオーク

【年間生産量】
250万ℓ

【ブレンド先】
フェイマスグラウス、カティサーク

67%がブレンデッドウイスキー用に回されます。
残り33%がシングルモルトとしての流通します。

ハイランドパーク蒸留所|特徴

ほぼ100%シェリー樽

2004年以降、使用する樽はシェリー樽がほとんどです。ヨーロピアンオークとアメリカンオークが使用され、この樽により、微かなスモーキーさと香り高くフルーティな原酒にリッチな感覚を追加することができている、との事です。

熟成は大半がシェリー樽である。バーボン樽よりも10倍ほど高価だが、ハイランドパークの風味には欠かせない要素だ。この方針を可能にしているのは、スペインにボデガを保有する親会社エドリントンの調達力である。シェリー樽の木材はスパニッシュオークが中心だが、アメリカンオークも使用されている。製材までの乾燥期間(4年間)や、オロロソシェリーでのシーズニング(2年間)を経た最高品質の樽材が豊かな香りを授ける。

フルボリュームやヴァイキングレジェンドシリーズでバーボン樽が使用されました。

芳香成分に富むピート

ミズゴケとヘザーで構成されたピートは、かすかにスモーキーですが芳香成分に富んでいると言われています。

なお、ピーテッドモルトで有名なアイラ島のピートは海洋植物が多く、クレオール(タールのアロマとして捉えられる)が多く含まれ、スコットランド本土のピートは樹木由来のリグニンが多く、スモーキーだと言われています。

寒冷地で強風が吹き荒れる土地柄なので高い木が育たないため、低木のヘザーなどが主に堆積するということです。

ヘザーとは

荒地や岩肌に咲いている桃紫色のごく小さな(米粒程の)花をつけるツツジ科の灌木です。
日本ではヒースと呼ばれています。
ヘザーには1000種類を超える栽培種がありますが、スコットランドのワイルド・ヘザーはハイランド中部から北東部にかけての丘陵や荒野に自生し、香り高い花を咲かせてミツバチ達を誘います。

風味は木香様臭とかアルデヒド臭に属しており、わらや干し草の香りに近い。山々に咲くツツジに近いと言われています。

自家キルンでピート加工

蒸溜所の自社製キルンでピートの香りを付けています。
およそ20%の大麦をこの方法で加工し、残りはスコットランド本土のものを取り入れています。

ニューメイクのフェノール地は3ppm以下。ホービースターヒルにある専用のピートボグから掘り出した若いピートを混ぜて焚くことで独特のヒースの香りが付くと言われています。

ハイランドパークでは、フォギー、ヤギー、モスという3層のピートを使い分けしており、この草花が混ぜ込まれたピートがハイランドパーク特有のアロマの要因であると評する方もいます。

ハイランドパークでは麦芽の乾燥に40時間費やします。
最初の18時間でピートを焚き、その後コークスで20時間かけて温め乾燥、麦芽を完成させます。

司祭が密造酒業者に転身?

蒸溜所の起源は多説ありますが、面白いのが、肉屋であり、司祭であるMagnus Eunsonが密輸業社に転身したのがハイランドパークの始まりという説もあります。

た彼はいつも教会の説教壇の下に密造ウイスキーを隠しており、監視官が訪ねてくる情報が入るとすぐさまボトルを自宅に持ち帰り難を逃れていたそうです。
そして自宅に監視官が押しかけた時にはウイスキーのボトルに白いシーツをかけて天然痘患者だと言い張り、見事追い返したこともあるそうな。

人の道を説く方が人の道から外れた行いをしていたと思うと皮肉ですね。

1798年に農家のデビッドロバートソンが創設したという説もあります。

ローズバンク?カークウォール?

ハイランドパークは初めからハイランドパークという名前だったわけではないと言われています。
蒸溜所近くの地名であるRosebankやKirkwallという名前を経たとも言われていますが、その詳細は謎です。

CALCHOUというモルト

Highland Parkハイランドパークのシングルモルトに間違いないと言われていますが、確証はなく、スキャパとのバッテドモルトの可能性も捨てきれません。Roxburgh Holdings Ltd.はケルソーの町で1992年から1994年の2年間だけ営業した瓶詰業者。CALCHOUは、ケルソーの町の古い表記。ラベルにはSINGLE MALTの表記がありません。

最北の蒸溜所

現在存在する蒸溜所の中で最北に位置しています。
緯度59度の位置に立っており、これはモスクワとほぼ同じです。

蒸溜所が属するオークニー諸島はロンドンよりもスカンジナビアに近い。
オークニーという名も「アザラシの島」を意味する古代ノルウェー語。住民も自らをオーカディアンと呼び、スコットランド本土とは異なるアイデンティティを誇っている。

ノルウェーの伯爵がオークニー諸島を支配したのは874~1468年。クリスチャン1世が領土を放棄してスコットランド領となるまで、500年以上にわたって培ったヴァイキングの気風は消え去ることなく現代に受け継がれているとのことです。

高い評価

19世紀後半、デンマーク王やロシア皇帝などが招待されたパーティにおいて「最上のモルトウイスキー」と称され、一躍有名となりました。オークニー諸島に住む人々が「北の巨人」と誇るブランドでもあります。

また、ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏も「全モルトウイスキーの中で、もっともオールラウンダーで秀逸な食後酒」と評価しています。

ヴァイキングを意識

ボトルのガラスにあしらった渦巻状のデザインとボックスのエンボスは、ノルウェーのウルネスにある12世紀建造の木造教会をイメージしたもの。キリスト教と古代ヴァイキング文化が融合した画期的な建造物で、ユネスコ世界遺産に登録されている。ボックスの側面には『オークニー産 誇りとともに(Made With Pride On Orkney)』の文字。普段は目にしないボトルの底にも、オークニー諸島の地図がエンボスされている。

ハイランドパーク蒸留所|歴史

1798
オーナー:David Robertson

1816年(または1818年)
オーナー:John Robertson
Magnus Eunsonを捕えた徴税官がオーナーとなる。
ハイランドパークと名乗り始める

1825
オーナー:Richard MacKay

1826年
オーナー:The Borwick Family
蒸留免許を正式に取得

1869
オーナー:Stuart & Mackay

1878
オーナー:Stuart & Grant

1895
オーナー:James Grant
グレンリベットの前オーナー、ジェイムスグラントが蒸溜所を買収。

1898年
蒸留器を2器から4器に増設
このころ Robertson & Baxter社(現マッカラン、ハイランドパークのオーナー会社 Edrington Group の前進)と強い関係を築く

1937
オーナー:Highland Distillers

1970年代
初めてのシングルモルトが8年ものとして登場

1980年代
シングルモルト12年、18年登場
8年は終売

1999
オーナー:Edrington
エドリントン社70%、ウィリアム・グラント社30%で共同出資して設立された1887カンパニーを通じてハイランド・ディスティラリーズは買収されました。

ハイランドパーク蒸留所|種類・ラインナップ

ハイランドパーク 12年

ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソンが「オールラウンドな食後酒の傑作」と評して世界最高点を与えた

樽>>
[シェリー樽]ファーストフィル:20%
[シェリー樽]リフィル:80%
香り>>
ハチミツを思わせる甘い香りに、オークニー特有の軽やかなピート香
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ハイランドパーク 18年

評論家のポール・パッカルトが「完璧にバランスがとれた究極のウイスキー」と評した。ジム・マレーの『ウイスキーバイブル』で、95.5点を獲得。

18年という長期熟成なのに樽香だけが突出している訳でもない。これは熟成がゆっくりと進むオークニーの風土によるマジックだ。繊細かつ複雑で、甘み、スパイス、ドライな印象が見事なバランスで溶け合っている。

樽>>
[シェリー樽]ファーストフィル:45%
[シェリー樽]リフィル:55%
香り>>

味わい>>

ハイランドパーク フルボリューム

ウイスキーのブレンディングを、音楽創作において重要である音の周波数のファインチューニングになぞらえ、個々の樽の個性とフレーバーの波を組み合わせて最良のバランスを作り上げたと言われています。

1999年蒸留、2017年にボトリング。

樽>>
[バーボン樽]100%(アメリカンオーク)
香り>>
バニラ、ココナッツ、マンゴー、パイナップル、スギ
味わい>>
レモンピール、バニラ、軽やかなスモーク。フィニッシュは柑橘

ハイランドパーク ヴァルキリー

ヴァイキングレジェンドシリーズ3部柵の中の第1弾。
バーボンカスクのバニラ感とシェリーカスク由来のフルーティを同時に堪能できるボトルです。

樽>>
[シェリー樽]アメリカンオーク
[バーボン樽]アメリカンオーク
香り>>

味わい>>

ハイランドパーク蒸留所|動画

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ジロー/ Giraud
ジロー/ Giraud
気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。