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グレンギリー蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・ハイランド地方】

グレンギリー蒸留所|スペック

【会社】
ビーム・サントリー社

【国】
スコットランド/アバディーンシャー/オールドメルドラム
地区:ハイランド

【名前の由来】
「谷間の荒れた土地」の意

【ロゴ・アイコン】

【ボトル】

【原料】
シンプソンズ社より

【ピート】
オプティック種、ノンピーテッド
(一部ピーテッド使用)

【仕込み水】
Coutens Spring

【発酵曹】
ステンレス製 x8基

【イースト】

アンカー社のドライイースト

【発酵時間】
48-60時間
(基本的に48時間発酵。週末はやや長時間。)

【蒸留器】
初留器:オニオン型 [25,000ℓ x1] 再留器:— [11,000ℓ x2] 加熱:スチーム式

イチロー
イチロー
スチルは3基ありますが、1ペアのみ使用されるとのことです
ジロー
ジロー
プレーンな形状で、ウォッシュスティルには非常に長いラインアームがあります

【冷却器】
シェル&チューブ

【樽】
[バーボン樽] —
[シェリー樽] —

【年間生産量】
100万ℓ

【ブレンド先】

グレンギリー蒸留所|特徴

短い発酵時間

発酵は短く、独特のワックス状で獣脂のような特徴を持つ新しいスピリットに、シリアルとスパイスの深い香りを与えます。 成熟すると、重さが厚く脂肪質のテクスチャに変化し、蜂蜜の果実とヒースが出てきます。

味の制御は難しいようで、最も軽い場合は、野性的で、ハチミツの香り漂う、ハーブ様の領域に入り込むが、重いままで獣脂のような芳香に移行することもある…とのことです。

ピートの使用

元来ヘビリーピーテッドだったが、DCLによりその色は次第に薄められ、同社がヘビーピートモルトの生産を、当時の「クライヌリッシュ蒸留所」(現ブローラ)に賄わさせ、代わりに「第2クライヌリッシュ蒸留所」(現クライヌリッシュ)の建築を始めたことにより、ギリーのピート原酒製造工場としての役割が軽くなり、1997年11月よりモリソン・ボウモア社がノンピーテッドに切り替えました。

その後、サントリーにわたるまでピーテッドモルトの製造は続けておりましたが、そこでサントリーが仕掛けた大きな変革が2つ。一つはノンピートモルトの製造への切り替え、そしてもう一つが、ブレンド原酒としてではなくシングルモルトとしてボトリングするようにしたということ。

しかし、近年少量のピーテッド麦芽が使用され始めています。

最古の蒸溜所の可能性

グレンギリーの発足は1797年とされていますが、それより早い時期に合法的に製造されたという主張があります。(まだ立証はされていません)
その主張が真実である場合、この蒸溜所はスコットランドで最も古い蒸溜所という事になります。
(1785年という早期にここで蒸溜所が操業していたらしいという説があります。また、それ以前はこの場所に革なめし工場とブルワリーがあったとのことです。)

ギリー谷について

ウイスキー関連の書物を多数著した作家のアルフレッド・バーナードは、彼独特の調子でこの辺りを次のように描写している。
「肥沃でよく耕され、フォーマーティンとブシャンの両地域と、そびえ立つベンアキー山を広く見晴らす丘の連なりに全方位を囲まれて、しっかりと守られた谷」。
彼はここを「アバディーンシャーの穀倉地帯」と名付け、町自体は「興味深く、歴史的」と見なしたが、通りは「多くの良い家が並ぶものの、実に変則的に造られている」と考えた。

クリーミーな口当たり

モリソン・ボウモア社のマスターブレンダー、レイチェル・バリーはこう語る。
「まだ7歳の頃、耳が痛くなった私のために祖母がグレンギリー 8 年を少し加えたミルキー・ホットトディ(材料は蜂蜜とホットミルクとグレンギリー)を作ってくれました。それが余りにも気に入ってしまい、その後何回か耳が痛いふりをして、痛みを和らげる特製のトディをせがんだことを覚えています」

現在、レイチェルは「クリーミーでコクがあり、肉っぽくスパイシーな香り」というグレンギリーの個性を尊重し、このウイスキーはノンチルフィルターで通常より強めのアルコール度数、48% が一番楽しめると強調している。
彼女の説明では、ずんぐりと太いスチルに長いラインアームを備えたグレンギリー蒸溜所の特徴、さらに短いミドルカットの賜物だと考えられている。その結果、脂肪酸エステルのクリーミーな口当たりとスパイス、クリーム、果物の香りが現れるのだそうだ。

変則的な組み合わせの蒸留器

もともと4基でしたが、ウォッシュスチルを1基外した。だから一番奥のスピリットスチルも今ではあまり使っていない。とのことです。

「昔は2基しかなかったが、1978年に新しいスチルを追加した」という説も多く見られるそうですが…

グレンギリー蒸留所|歴史

1797
オーナー:Thomas Simpson

1827
オーナー:Ingram, Lamb & Co

1837
オーナー:John Manson

1884
オーナー:Joseph F Thomson & Co
トムソンはこの2年後、ウィリアム・サンダーソンをパートナーとして引き入れた。(のちにVAT69を生み出して有名になる人物)

グレンギリーはすぐにサンダーソンがつくり出す数々のブレンデッドウイスキーの重要な構成原酒となり、蒸溜所は拡大した。

1908
オーナー:Sanderson & Son

1933
オーナー:Booth’s Distilleries
現在では主に「ブース・ロンドンドライジン」を生産するブース・ディスティラーズ社が管理していた。

1937
オーナー:DCL社

1968年
慢性的な水不足や生産能力等の問題で閉鎖
(スモーキーウイスキーの生産増加を目指したDCLが、ブローラ蒸溜所と比較してグレンギリー蒸溜所には十分な水がないと見なしために閉鎖に至りました)

1970
オーナー:Stanley P. Morrison
スタンレー・P・モリソン社(後のモリソン・ボウモア社)が買収。
(水脈占い師を使って新たな水源を探ったモリソン・ボウモア社。その結果、水が流れ出し、ウイスキーづくりも甦ったとのこと)

1972年
スコットランド初のガス火力スチルを使用

1973年
蒸溜所のラベルを付けたシングルモルトが発売

1994
オーナー:Beam
Beam社、モリソン・ボウモア社を買収

1995年
閉鎖

1997年
再稼働
フロアモルティングの廃止
ノンピーテッドに。

2014
オーナー:Beam Suntory社

 

グレンギリー蒸留所|製品・種類・ラインナップ

グレンギリー
ファウンダーズ・リザーヴ

ファウンダーズ・リザーブは、同蒸留所が200年以上という長い間、伝統的な素晴らしいハイランド・シングル・モルトをつくり続けてきたことを記念してリリースされました。
ノンチルフィルタード。

樽>>

香り>>
フラグラント、白檀、ハーブ、ヒース。蜂蜜、ほのかな柑橘系の香り
味わい>>
ドライで硬質

グレンギリー
12年 ダブルウッド

古典的なハイランドモルトとして味の評価が高いグレンギリー。
現在使用している仕込水は蒸溜所の西方、コウテンという地に沸く天然水。
この水はやわらかく清冽でウイスキーづくりにまたとなく適しています。

香味の良い部分のみを取り出し、樽に詰めて貯蔵することで、花のような香りとクリーミーな味わいを生み出しています。

また、グレンギリー蒸溜所は、蒸溜釜の熱源に、近隣の北海油田から産出する天然ガスを使用していることもユニークな点として特徴的とされています。

樽>>
バーボン樽、シェリー樽
香り>>
スミレ、トースト、ピート香
味わい>>
クリーミー、モルティー、果物

グレンギリー蒸留所|動画

 

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ジロー/ Giraud
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気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。