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グレンファークラス蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・スペイサイドモルト】

グレンファークラス蒸留所|スペック

【会社】
J&B グラント

【国】
スコットランド、スペイサイド地方

【名前の由来】
ゲール語で「緑の草の谷」
蒸留所を取り巻く牧草地の豊かさを表現

【ラベル】
パコダ屋根のイラスト

【ロゴ・アイコン】

【ボトル】

【原料】
大麦>>
モルトスターのMuntons and Simpsonsより仕入れ
酵母>>
Mauri cream

【仕込み水】
ベンリネス山の湧き水(軟水)

【ピート】
1-3ppm

【発酵曹】
ステンレス製(木製の蓋付)
12基

【発酵時間】
72時間以上

【蒸留器】
Boiling ball型
初留21,000リットルx3基
再留25,000リットルx3基
(ガスによる直火焚き)

【冷却器】
シェル&チューブ

【樽】
ファーストフィルからセカンドフィルのシェリー樽。ヨーロピアンオーク。(これらの多くはスペインのアンダルシアにて、オロロソシェリー酒の熟成に使われていたもの)

樽のサイズは主に「バット」と呼ばれる容量550リットルのもの→大型バットを使用することでシェリーや樽材による影響を穏やかにし原酒の風味を活かすことが出来る。とはいえホグスヘッドも使用している
(ヘレスのミゲルマーティンから調達)

【瓶詰】

【年間生産量】
300万ℓ

【ブレンド先】

※ブレンデッド用の原酒提供は行なっていません
※ボトラーズへの提供は行っています。ブラックアダーのBlairfindyもその一つです。

グレンファークラス蒸留所|特徴

製法上の特徴

直火式蒸留機を保持する数少ない蒸溜所です。スペイサイドエリアでも最大サイズを誇る大きなポットスチルを使用しています。

気候は涼しく、エンジェルス・シェアが年間0.05%(平均は2.5%/年間)

最大の市場はドイツ

現在グレンファークラスは100国以上に輸出されていますが、最も大きいマーケットはドイツです。

ドイツの法律ではウイスキーにカラメル添加をした場合、ラベルにカラメル添加した旨を表記しないといけません。
グレンファークラスのボトルには当然カラメル添加とは書かれていないので、それがドイツ市場にウケて販売数につながっているのではと考えられています。

職人気質を表す言葉

ジョージグラントを始めとする、6代続く家訓>>
私たちは稼ぐことができるものを作る。それを作るためにお金を借りることはない

酒質、樽使いへの考え方

エドリントンは、欧州ではビッグ、ダークそしてボールドな香りのウイスキーに対するニーズが減少し、代わりにライトなスピリッツへのニーズへの高まりがあり、そのニーズに対応する事を、マッカラン・ファインオークで示しました。

一方、ジョージ・グラントは、それを公然とは非難せず、ただ穏やかにエドリントンの考えを否定しました。

彼は言います。「現在の状況はとても奇妙な気がします。確かに、ライトなウイスキーを楽しむ人もいる。それはそれで良いことです。ただ、どっぷりとシェリー樽で熟成されたウイスキー対する根強い要望があることも確かなのです。」と。

「グレンドロナックを見ると、かなりシェリーが強い。強すぎる場合もある。しかし、ウイスキーの飲み方は変わった。以前は自宅にボトルを1本キープしておいて、いつもそれをお決まりのスタイルで飲んでいた。でも今はいくつかのスタイルがあって、そこを行ったり来たりしているんだと思う。強くシェリー樽の影響があるウイスキーというのもそういうスタイルのひとつで、まだかなり需要がある」

グラントによると、ウイスキー愛飲家は常にクオリティの高いモルトに惹かれるという。このため、自らの信念を堅持していれば潜在的な顧客を開拓する必要はない。そこに、グレンファークラスが決してウッドフィニッシュを求めない理由がある。

「もし、別のスタイルの樽を使ってウイスキーをフィニッシュする必要があるなら、そのウイスキーは最初からうまくいってなかったんだと思います。ずっとそう思っています」

「グレンファークラスは今のままであるべきで、他に必要なものはなにもないとも思っています。グレンモーレンジィに対してフェアな言い方をすれば、従来のものとはまったく違う斬新なことをしたのは確かだし、そのおかげで、ウイスキーを好む全く新しい世代が生まれました。しかし、いったん真似され始めると、実にひどい代物ができることもあるのです」

発酵槽の材質について

ウォッシュバックはステンレス製です。
その理由は「オレゴンパインの桶とステンレスの桶ではブラインド・ティスティングをした時に、その違いを指摘できるウィスキー専門家はいない。ならば、メンテナンスが容易に出来て微生物管理がキッチリできるステンレス桶の方が有利」という判断を行なったからだと言われています。

サッチャー首相の酒

イギリス初の女性首相、サッチャー首相。
大のウイスキー好きとしても有名で、彼女は「毎日飲んでいるお酒は?」という質問に「グレンファークラス105」と答えたといいます。

グレンファークラス蒸留所|歴史

1790年代
農場の運営が始まる
密造酒の製造もその敷地内で行なっている

1836年
ロバート・ヘイにより「ロバート・ヘイ社」設立
(1823年の物品税法から13年の月日が経った)

1865年
ロバート・ヘイが他界
グレンファークラス蒸溜所近隣で農業を営んでいたジョン・グラントと息子のジョージが蒸溜所を512ポンドで購入。
グラント親子はすぐにジョン・スミスに蒸溜所をリース。
「ジョングラント&ジョンスミス社」設立

1870年
グラント親子が「J&Gグラント社」を組織して蒸溜所の直接運営を始めます。

1880年頃
ラベル付きボトルで登場した最初のシングルモルトのひとつとなる

1895年
グレンファークラス-グレンリベット・ディスティラリーを設立
(パティソン・エルダー社と共同出資)

パティソン・エルダー社は当時かなり過激なマーケティング、宣伝手法をとることで有名でした。「パティソン社のお酒を買ってね!」という言葉を刷り込ませたオウム500羽を酒屋に送りつけたり、グレーン・スピリッツに極少量のモルトをブレンドしただけの商品を「ハイランド・モルト」として販売していたりと業界での悪名高さは相当なものだったと言います。しかしこの悪業の積み重ねと金使いの荒さで信用を失い1898年、経営が行き詰まり倒産。当時パティソン社と提携していた会社は多く存在し、共倒れした会社は10社以上に及んだそうです。このパティソン社の倒産を受け、当然グレンファークラスも深刻な資金難に直面します。しかしストックしていたウイスキーを売却、または抵当(担保)に入れたりなどしてなんとか破産を免れました。家族経営を謳うグレンファークラス。穏やかそうな歴史を辿ってきたかと思いきや、隠された波乱万丈の歴史があります。

1898年
J&B グラントがオーナーとなる

1960年
設備投資として2基だったポットスチルを4基へ増設。

1968年
スコットランドの蒸溜所で初めてカスクストレングスのボトルを発売し話題を呼びます。
このボトルは後に「グレンファークラス 105」へと結びつきます。

1972年
フロアモルティングを停止。

1973年
訪問者に門戸を開いた最初の蒸留所の1つと言われています。

1976年
4基だったポットスチルを6基へ増設

1980年代
ウイスキー不況により業界が生産を削減していた頃、グレンファークラスの生産は増加していました。
やがて市場が好転したとき、多くのストックを確保しておく為です。

また、ブレンド用とシングルモルト用の在庫のバランス設定も、グレンファークラスが他の蒸留所よりも多くのストックを持っていることに繋がりました。

提供したウイスキーに蒸留所名を使用するボトラーズへの嫌悪感も、強いブランドアイデンティティを維持するのに役立ちました。

1981年
蒸気加熱式蒸留機を試すも家風に合わず直火に戻しました。
シェリー樽のリッチな果実やタンニンの構造に対処するには豊富な留出物が必要と考えた為です。

1988年
農場の運営停止

20世紀への変わり目
ミレニアムを祝ってユニークなシリーズの生産を決定し、「ザ・スコティッシュ・クラシック」を発表しました。
このラベルはスコットランド人アーティスト数人のグループがスコットランド文学から着想を得て作成したもので、美しい細密画作品のシリーズができました。

『アイバンホー』(サー・ウォルター・スコット)
『タム・オ・シャンター』(ロバート・バーンズ)
『宝島』(ロバート・ルイス・スティーヴンソン)

などがあります。
当然ながら、このシリーズはコレクターズアイテムになりました。ラベルは全部で30種類存在します。

2002年
ジョン・L・S・グラントが後継者となります。

2007年
The Family Casksリリース
1952年から1993年まで、連続した43年それぞれのシングルカスクによるコレクション。40年モノも発売しましたが、価格は大半の40年モノの3分の1に抑えたと言われています。

グレンファークラス蒸留所|動画

 

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ジロー/ Giraud
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気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。