皆様、動物のツノは好きですか?
私は大好きです。
華やかな牡鹿のツノに、力強い水牛のツノ。
山羊のツノには少年の心が刺激されますし、牛のツノはシンプルで愛らしい。
一時期は一日に何枚も鹿や牛の頭骨を模写していましたので「そろそろ牛頭骨を具現化できるのでは?」と思い水で満たされたグラスに葉を浮かせ、手を添えてみた事があります。勿論何も起こりませんでした。
ちなみにスモーキーゴート/SMOKY GORTというブレンデッドウイスキーのラベルにはヤギが描かれているのですが、こちらも中々良いツノをしてらっしゃいます。
\眠たげな目もキュート/
…つい話が逸れてしまいました!
今回はこちらのボトルをテイスティングさせて頂きます。
どちらのツノが立派か威嚇し合っている場面が描かれたラベルが貼られているこのボトル(異論は無いと信じています)。一体どのようなお味がするのでしょう!
それでは本文をどうぞ!
ボトル説明
レジェンズシリーズも今回で最後となりました。
最後を飾るのはこのボトル、ミズ&レジェンズ 1/MYTHS&LEGENDS 1(バルブレア)です!
このシリーズについて改めて説明させて頂きます。
ミズ&レジェンズは、「ウイスキー愛飲家がいつの間にか囚われている“神話と伝説”から人の心を解き放つ為のシリーズ」と言われ、3本のボトルがリリースされています。
◆ 心を解き放つとは? ◆
ウイスキー造りとは創造性と品質が重要で、旧来からあるカテゴリーやコンセプト、蒸留所名や地域からイメージや固定観念 (ウイスキーにおける神話と伝説)は重要ではない、との考えを体現したのがこの「ミズ&レジェンズ」です。
◆ グレイザー氏とは ◆
ウイスキーのブレンディングを手がけるのはコンパスボックスの創設者、ジョン・グレイザー(John Glaser)氏。ジョニーウォーカーのグローバルマーケティングディレクターとして活躍した過去を持ちます。
ミズ&レジェンズ 3/MYTHS & LEGENDS 3はグレンエルギンを中心としたブレンデッドモルトウイスキー。
ミズ&レジェンズ2/MYTHS & LEGENDS 2はグレンエルギンのシングルモルト。
どれも大変興味深いボトルでした。
そして今回のボトルはミズ&レジェンズ1/MYTHS & LEGENDS 1。一体どのようなウイスキーが詰められているのでしょう。
詳細は下記をご覧ください。
COMPASS BOX:MYTHS & LEGENDS 1
中身はバルブレアのシングルモルトです。
「シングルモルトであっても、違う個性の2つの樽をブレンドすることによりその蒸留所のイメージとは違うシングルモルトを創り出した」と輸入代理店は語ります。
樽構成

- First Fill Bourbon Barrels
57.9% - Recharred American Oak Barrels
42.1%
テイスティング
テイスティングの結果は下記をご参照下さい。
※抜栓直後の感想です
COMPASS BOX
MYTHS & LEGENDS 1
BALBLAIR

香り>>
硫黄、レモンキャンディ、熟したパパイヤ、クリーミー、虹
味わい>>
スッと消えるフルーツとクリーム、木香、スパイス
余韻>>
木香、スパイス
香り / Flaver
腐臭!?
そう思ったのも束の間、その香りはスッと消えバランス良いふくよかなレモンキャンディが顔を出しました。溶剤感は先日のミズ&レジェンズ2(グレンエルギン)ほど強くは無く、クリーミーです。
やはり香りがとても良く。期待してしまいます。
クリームと熟したパパイヤのバランスが絶妙です。時間が経つほどクリーミーさが際立ちます。
しかし油断してはなりません。
幾度となく驚かされてきたイチローはそれを理解しています。
ふとしたタイミングで現れる虹の陰に怯えながらテイスティングを続けます。
味わい / Taste
…やはり!
熟したフルーツとクリームは感じるも、膨らまず。
ポテンシャルは感じますがまだウッディネスでスパイシー。
フローラル要素が強めの薄めた木香。
この引きの良さはコンパスボックスの味作りなのでしょうか。
ふと、オーシャンズ/The Oceans:グレンエルギン11年(カエルアンコウ)で感じた味の引きの良さを思い出しました。
\僕も引きが良いよ!/
しかし、こちらも「やはり!」と言いましょう!
ミズ&レジェンズ1も転がさずに飲むと美味しい!鼻に抜ける余韻が強い!
フルーツが消えるその前に呑み下し、喉の奥から立ち上る熟したフルーツやクリーミーに溶け込んだ木香。この素晴らしさを舌の上で味あわせてもらえたら…と思うのは贅沢でしょうか。
余韻 / Finish
木香とスパイス。
グイッと飲むと強いバックを感じますが、5秒も転がすとフルーツは消えてしまいます。余韻を楽しむ場合は2-3秒で飲み下すのが良いでしょう。
まとめ
ミズ&レジェンズシリーズ全ての開栓が完了しました!
ご馳走様です!
どのボトルも素晴らしい香りで、新しい発見をさせてくれる面白いシリーズでした。
コンパスボックスについての記事はは5本ほど上げていますが、そのどのボトルからも「口内でのフルーツの消失」を経験しています。これはハウススタイルなのでしょうか。
グレイザー氏は薄味好き?
「口内でのフルーツの消失」が起こりがちなコンパスボックスのボトル。この味作りを狙って行っているとすると、私より圧倒的な経験を持つグレイザー氏は、フルーツが潔く消える点や薄まった木香を好ましいものと捉えているのかもしれません…氏の食生活を拝見したい!
私はウイスキーにはクッキリハッキリした味わいや香りの膨らみを求めがちです。香りや味わいが繊細なウイスキーへの理解はまだまだ低いでしょう。
だからこそ、このミズ&レジェンズの3本を長熟・繊細への理解も深い方が飲んだ時にどういった感想を示すのか気になるところです。ボウモア26年:トリロジーやサロン・ド・シマジ:グレンファークラス31年をお好きな方などは一体どういった感想を持つのでしょうか。
舌それぞれの好みの分布を理解したい。
どうも。令和の真面目人間、イチローです。
今後ともよろしくお願い致します。
MYTHS&LEGENDS1を一言で表すと
レモンキャンディ/クリーム/かすかに虹
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MYTHS & LEGENDS 1


