こんにちは。イチローです。
遂に山崎55年がリリースされましたね。SNSでは着荷報告が散見されるようになりました。
私はそういった報告を見ると嫉妬で心が狂いそうになるので、透明なボトルにマジックで山崎55年と書き、それを本当の山崎55年だと思い込む事で心の安定を図っています。
さて、今回はこの憎っくき山崎55年について記事を書き上げたいと思います。
・何故こんなにも盛り上がりを見せているのか。
・山崎55年はどんなウイスキーなのか。
解説させて頂きます。
それではどうぞ!
事の起こり
今年の2月、サントリーが山崎55年を100本限定で抽選販売することを発表しました。
その価格に驚きますが、55年も原酒の品質が維持されるのは奇跡的と言われています。
何故ならウイスキーは熟成を重ねすぎると樽の香りが原酒に強く移りすぎてしまう事があるからです。長期間熟成が必ずしも良いわけではありません。
この長期間の熟成を実現させるには、本当にしっかりした酒質と厳重な管理が必要です。奇跡と言われる所以はそこにあります。
原酒の熟成期間が20年を超えた頃からは涼しい場所に移動して熟成のスピードを落としたり、蒸発による影響を抑えるために別の樽へ詰め替えたりしながら熟成を継続したりしています。非常に手がかけられています。
市場も価格相応のものがあると判断したのでしょうか。抽選倍率は相当なものになっていたと言われています。
価格高騰の実績
山崎というブランドには投資対象としての信頼と実績が存在します。過去幾度となく価格の高騰を実現させてきました。今現在は少し緩和されたようですが、ノンエイジと言われる熟成年数が表記されていないボトルですら高騰を見せています。ただただ圧倒されます。
確かに55年の300万円という販売価格には驚きを隠せません。
しかし、当初から値段の高騰は予想されていました。倍はおろか、「1000万円は堅い」「3000万は行く」中には「1億円行くんじゃないか」なんて声も上がっていました。
何故なら、山崎には価格高騰の実績があるからです。
過去に3度リリースした50年熟成の山崎は、それぞれ高騰を実現させています。
過去の山崎50年の販売価格はそれぞれ100万円。
55年より200万円も安いなんてお買い得ですね。
しかもそのボトルとオークションに出すと、元の30倍以上の価格で取引される事も珍しくありませんでした。
◆山崎50年(2011年発売/限定150本)>>
落札価格:3,280万円(落札日:2018年1月)
◆山崎50年(2005年発売/限定50本)>>
落札価格:3,800万円(落札日:2018年8月)
◆山崎50年(2005年発売/限定50本)>>
落札価格:4,700万円(落札日:2019年5月)
また、ジャパニーズウイスキー自体の注目度が高く、軽井沢蒸溜所の長熟ウイスキーも高額で落札されています。
◆軽井沢1960/52年熟成(限定41本)>>
落札価格: 4,600万円(落札日:2020年3月)
とはいえ落札価格には波があり、2018年1月には3,280万円で落札された『山崎50年』も、2018年11月に行われた香港のボナムズでのオークションでは2,000万円での落札となりました。
このように価格をはるかに高騰させた実績を山崎は持っています。
そして、ジャパニーズ・ウイスキーは世界的に流行していること。このブームはアジアの富裕層やコレクターが牽引していることから値崩れが起こりにくいと言われています。
過去の実績と、安定しているであろう未来を兼ね備えたとんでもない商材ではないですね。
スペック
価格や転売という視点から賑わいを見せている山崎55年ですが、酒質はどのようなものなのでしょうか。メーカーコメントは下記の通りです。
メーカーコメント>>
山崎蒸溜所で55年以上熟成を重ねた希少な山崎モルト原酒の中から、1964年蒸溜のホワイトオーク樽原酒や1960年蒸溜のミズナラ樽原酒など、熟成のピークを迎えた原酒を厳選し、匠の技で丁寧にブレンドしました。
ミズナラ樽原酒に由来する赤みがかった深い琥珀色が美しく、超長期熟成ミズナラ樽原酒ならではの、伽羅や白檀を思わせる複雑な香りと、甘みとほろ苦さからウッディネスへと続く味わい、かすかな苦みとともに続く濃厚な余韻をお愉しみいただけます。
アルコール度数/容量>>
46%/700ml
樽>>
ホワイトオーク樽、ミズナラ樽、など
香り>>
伽羅、白檀、ドライフルーツのような濃縮した果物の甘やかな熟成香
味わい>>
甘み、ほろ苦さ、ウッディネス
余韻>>
ほろ苦さ、微かな薫香、香木の香り、ココナッツミルクのような濃厚な甘み
あしらい>>
・クリスタル製のボトル
・金粉と漆があしらわれた年数表示
・駿河漆を施した木箱はミズナラ材
・金箔と糸が漉きこまれた封紙(越前和紙)
・封紙を結ぶのは京都の伝統工芸、組紐
とのこと。
注目されているミズナラ樽は、熟成期間が長ければ長いほど伽羅香や白檀香を強く原酒に与えると言われています。
逆に言えば、熟成期間が短いとそのポテンシャルを十分に発揮できない樽とも言えるのでは…とも個人的には感じています。
そんなミズナラ樽が十分にポテンシャルを発揮できる期間…55年もの長期間熟成を実現させた場合、一体どのような香りが原酒に与えられるのでしょう。
感じた事もない香りが表出するのでしょうか。私がこれまでミズナラ樽で熟成されたウイスキーを飲んで感じていたミズナラ感が一新されてしまうような、そんな感覚に陥ってしまうのでしょうか。
非常に気になります。
また、1960年頃というと山崎蒸溜所が自前で製麦を行なっていた頃ですね。今の原酒とは違った香味が得られることでしょう。
いったいどのような違いがあるのでしょう。気が気でなりません。
SNSでの反響
さて、そんな興味を惹かれる山崎55年ですが、遂に当選者の元に発送されたようです。
SNSでは着荷報告が散見されるようになりました。

山崎のサイトだけでは分からなかった部分を解説して下さる方もいらっしゃいました。

転売ガチ勢の方も目立ち始めました。

他にも、当選された方がマネーに振り切ったアンケートを拡散されていて凄いなぁと思いました。

しかし、悲しいかな…光があれば闇もある。
喜びに包まれている方もいれば、やはり隠の気に支配されてしまった方も出てきてしまいました。


そんな中ですからもう全てに疑心暗鬼になってしまい、下記の優しさに溢れたツイートも「気に入らない奴へのアドバイスを装った攻撃」なのではないかと思わされました。

さて、ご覧いただいたように只今ツイッターで「山崎55年」を検索すると喜びと怨恨が入り混じる地獄を見れると思います。
人の業を目の当たりにされたい方は是非ご確認ください。
尚、私はこのスクリーンショット数枚と引き換えに嫉妬で奥歯が無くなりました。
しかしそんな疑心暗鬼に陥ってしまった時、黒い気に苛まれ隠の者と化してしまいそうになった時、ふとこんなツイートを見かけました。
最後にほっこりさせていただきました。ありがとうございます。
P.S.
混沌としたタイムラインの中で最も秀逸だと思ったツイートが下記になります。

