6h_アイラ

カリラ蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・アイラ地方】

カリラ蒸留所|スペック

【会社】
ディアジオ社

【国】
スコットランド/アイラ島/ポートアスケイグ
地区:アイラ

【名前の由来】
「アイラ海峡」の意(ゲール語)
「Caol」が海峡、「Ila」がアイラ島で、アイラ島とジュラ島の間にある海峡のことです。 この奥まった入り江に、カリラ蒸留所は建っています

【ロゴ・アイコン】

【ボトル】

【原料】
大麦:ポートエレン産

【ピート】
34-38ppm

【仕込み水】
ナムバン湖

【発酵曹】
オレゴンパイン製 x8基
ステンレス製 x2基

【イースト】

リキッドタイプ
(クリームタイプという説も)

【発酵時間】
55時間以上

【蒸留器】
初留器:プレーン [—ℓ x3] 再留器:プレーン [12,000ℓ x3] 加熱:スチーム式

【冷却器】
Shell and tube

【樽】
[バーボン樽] リフィル

【年間生産量】
660万ℓ

【ブレンド先】
ジョニーウォーカー

カリラ蒸留所|特徴

香味

新鮮な洋ナシのノート、草っぽさ、ジュニパーのヒント、そして海岸の独特のノート(ロブスターの殻、カニのクリール、穏やかな煙)

ノンピーテッドで蒸留した場合はフレッシュでエステリー、フローラルな香りが目立ちます。

特徴

冷却水に海水を利用しています。
大麦はポートエレンで収穫されたものを使用。
フロアモルティングはカリラでは行っていません。
仕込み水は蒸留所近くのナムバン湖の湧水です。この湖は非常にピート色の濃い湖であることから、水そのものにもピート感が含まれます。
1970年代前半の大改築の際には、建物やスチルをオリジナルの設計図に忠実に再現したとされています。
年間で650万ℓ以上を誇る生産量は、ブレンデッドを含めたスコッチ業界で10番目の規模となります。

姉妹蒸溜所「Lagavulin」

ラガヴーリンが姉妹蒸溜所であり、同じ麦芽を使用しています。
しかし、Caol Ilaの蒸留方式は、発酵時間を長くし、カットポイントを高くし、蒸留器を高くすることで、重たいフェノールの削減を狙っています。

Mr Consistent

ウイスキー評論家からは「ミスターコンシステント」(調和・信念の意)と呼ばれているとか。

「イエロー・ロック・ハウス」

蒸溜所の隣には黄色い一軒家がぽつんと建っています。この家は「イエロー・ロック・ハウス」と呼ばれ、1人の女性が住んでいました。

彼女の名前はリリー・ローガン。彼女は現在ボウモア蒸溜所に勤め、アイラ島のツアーガイドを務めているクリスティーン・ローガンさんのお母さんにあたる方。

リリーさんは2014年の7月に他界、彼女はなんと100歳!までカリラ蒸溜所のすぐ側で生涯暮らし、誰にも束縛されない自由な生活を愛していました。

アイラ島で初めて車の運転免許を取った女性でもあります。

自ら車を運転してフェリーに乗り込み、キャンベルタウンまで魚を売りに行くような溌剌とした方でした。リリーさんはキャンベルタウンでも有名な方で、リリー・ザ・フィッシュというニックネームで呼ばれその後も語り草となったそうです。

大の日本通でもあり、飼っていた二匹の黒猫にスシとノリと命名。リリーさんの他界後、ノリが亡くなりましたがスシはまだ生きており、カリラ蒸溜所に住まいを移し蒸溜所で働く職人さん達と静かに余生を送っているそうです。

カリラ蒸留所|歴史

1846
オーナー:Henderson, Lamont & Co

1854
オーナー:Norman Buchanan

1857
オーナー:Bulloch Lade & Company

1920
オーナー:JP O’Brien Limited

1920
オーナー:Robertson & Baxter Group

1927
オーナー:Distillers Company Limited

1941年
第二次世界大戦の影響により閉鎖

1946年
再稼働

1972年
蒸溜所、解体

1974年
蒸留器を2つから6つに増やし、再建築
アイラ最大の生産量を誇る蒸溜所となりました。

1986
オーナー:United Distillers

1988年
「花と動物シリーズ」のカリラ15年が販売。ラベルはアザラシが描かれていたと言います。

1980年代後半
アンピーテッドの原酒を生産開始。それはハイランドスタイルと呼ばれ、主にブレンドの為に使用されました。このお陰で世の中が不景気でも蒸溜所を閉鎖することなく乗り切ることができました。
アンピーテッド麦芽は毎年生産され、量はディアジオのブレンディングチームの予測に委ねられています。

1997
オーナー:Diageo

2002年
シングルモルト12年が流通。
また、ヒドゥンモルトシリーズとしてカリラから12年、18年、カスクストレングスの3種類が販売されました。

ヒドゥンモルトシリーズでは他にもクライヌリッシュ、グレンエルギン、グレンオードが同時に販売されましたが1度に3種類のボトルをリリースしたのはカリラだけ。

狙い通り大人気となり、それ以来徐々に設備投資を重ね10年で生産量を約2倍にまで伸ばしました。

2018年
ディアジオは、カリラのビジターセンター改修を始め、各地のビジターセンターのアップグレードに£150M費やす計画を明らかにしました。カリラ蒸溜所にはジュラ島が眺められるバーなども作られるそうです。

カリラ蒸留所|種類・ラインナップ

カリラ 12年

現在のラインナップにおいて、レギュラーボトル的な立ち位置のボトルです。
魅力は何と言っても、バランスの良さです。

ピーティーさとフルーティーさ、重厚かつ上品、こうしたバランスが絶妙であるため、個性が強いアイラモルトの中でも比較的飲みやすく、アイラ入門にぴったりな1本となっています。

樽>>

香り>>
フルーティ、ピート香、スモーキー
味わい>>
スタートは甘く、紛れもないアイラの特徴、快くピリッとするが重すぎない、食欲をそそる

カリラ Moch

モッホとはゲール語で「夜明け」という意味です。
年数表記なしのノンエイジですが、大体8年ほど熟成させた原酒を使っていると言われています。

樽>>

香り>>
軽やかなピートとレモン、麦芽
味わい>>
オーキーでドライ。スモーキー、フレッシュな柑橘

カリラ 18年

かつては定番商品として販売されていたものの、現在は年に1度、数量限定でリリースされるのみの希少なボトルです。

12年と比べると、ピート香が控えめになっており、フルーティーさと甘みがより引き立っています。
味わいもよりまろやかです。

樽>>

香り>>
煙、潮、ベリー、バニラ
味わい>>
滑らか、キャンディ、バタースコッチ、ドライフルーツ、スパイス

カリラ 25年

2010年に限定リリースされたボトルです。25年熟成の希少な原酒を使用しています。
全体的に、スタンダードな12年に甘みとコクが加わったような印象です。
また、長期熟成モノのシングルモルトでありながら比較的リーズナブルな価格で入手できるので、コストパフォーマンスの良い1本としても知られています。

樽>>

香り>>
ブラウンシュガー、スイート、スパイシー、上品なピート
味わい>>
甘みと深み

カリラ蒸留所|動画

 

ABOUT ME
ジロー/ Giraud
ジロー/ Giraud
気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。