ジョニーウォーカーのキーモルトとして名高いアイラモルト、カリラ。オフィシャルボトルは女性的とも評される上品な味わいですが、ボトラーズになるとパンチの効いた酒質が多くなる面白いウイスキーです。
カリラ蒸溜所の年間生産量はアイラ島でNo.1、スコットランド全体でも10指に入ります。あの有名なグレンモーレンジィ蒸溜所を超える生産量と言えば、その凄さが伝わるでしょうか。
海辺に佇むカリラ蒸溜所
そんな生産量を誇る蒸溜所だからでしょうか。世界中の瓶詰め業者がこぞって余った(?)カリラ原酒を買い集め、オリジナルラベリングしたカリラをリリースしている現状です。
母数が多いので必然的に似たスペックのカリラが増えてくるのですが、今日はそんなカリラの中でもいっとう個性的なカリラを紹介します。
それがこのWu DRAM Clanからリリースされたカリラ8年ラフィットカスクです。
今日もごゆっくりご覧ください。
Ichiro’s Point
カリラ8年 ラフィットカスク
82Pt
官能評価:★★★
コストパフォーマンス:★★
カリラ8年 ラフィット|蒸溜所・ボトラー・価格
アイラモルト
カリラ8年 ラフィットカスク
Caol ila 8Yo Lafitte cask for Wu DRAM Clan
このカリラはドイツのボトラー「ウー・ドラム・クラン」によりボトリングされました。
ボルドーの五大シャトーの1つ、王のワインを作る事で有名な「ラフィット・ロートシルト」から提供された赤ワイン樽で8年熟成しています。
ウイスキーの熟成においてワイン樽はフィニッシュ用に数ヶ月〜2年程使用される事が多いイメージでしたが、このカリラはしっかり8年熟成。ラフィットのエキスを8年間吸収し続けたカリラは、一体どのような味わいになっているでしょうか。
ボトラー | ウー・ドラム・クラン |
---|---|
蒸溜所 | カリラ蒸溜所(ディアジオ傘下) |
熟成年数 | 8年 |
樽材 | 赤ワイン樽(ラフィットにて使用された樽) |
度数 | 57.9% |
定価 | 15,300円 |
カリラ8年 ラフィット|ラベル・ボトルデザイン
ボトルシェイプはくびれの少ない寸胴タイプ。ラベルに描かれた力強いイラストに目が行きます。
背景の建物はカリラ蒸溜所でしょうか。とすると手前の半魚人(?)は潮気を表しているのかな。手から出た呪文はホットなタッチの比喩かもしれません。
カリラ8年 ラフィット|味・香り
それにしてもこのカリラの色は凄い。赤茶では無くオレンジがかった赤色というのがなんともまた……頂きます。
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♡♡♡
蟹味噌ベリ〜!!!!
♡♡♡
アイラモルト
カリラ8年 ラフィットカスク
Caol ila 8Yo Lafitte cask for Wu DRAM Clan
〜 香り/Nosing 〜
蟹味噌。レモン、ベリー、スパイス、煙
時間を置くほど香りは膨らみ続ける
〜 味わい/Tasting 〜
酸味の強いシェリーカスク
強い甘味、目立たないタンニン
煙、ベリー、レモン
鼻に抜ける燻されたワインの香り
Ichiro’s Point
82Pt
官能評価:★★★
コストパフォーマンス:★★
カリラ8年 ラフィット|評価・レビュー
大味かな…と思っていましたが、意外や意外。上滑りしがちなタンニンと赤系果実の酸味は酒質にわりと馴染んでました。
赤ワイン樽系ウイスキーを飲むとダイナミックな味わいに圧倒されてしまう事が多いのですが、このボトルはそこまでそんなに。体調が良かったのかもしれません。
スモーキーな蟹味噌に絡んだ甘酸っぱいベリーにタンニン。この特徴的な香りに慣れたとき、新しい扉が開きそうな予感はします…が、なんとなく改めて飲んだときに違和感を感じそうな気がします
※前回のブナハーブン(マルサラカスクフィニッシュ)やボウモア18年フェスアイラ2021も、日を改めて飲むと違和感を感じてしまいました
ボトル背面。シール等は貼られていません
あと、これも味の濃いウイスキーあるあるなんですが飲んでいると食欲が湧きました。なんでなんでしょう。
こういった味わいのウイスキーには少し焦げ目の付いたグラタンを合わせたい。口の中に残ったこってりした味わいをホワイトソースでサッパリ流したい。
こうする事で次の一口も新鮮な気持ちで味わうことができる、という寸法です。(チェイサーじゃ洗い流しきれませんでした)
ラベル下部には原酒のスペックが書かれています
このボトルの長所は何と言ってもラフィットの樽で熟成されているという事実でしょう。この大きな釣り針は私たちを容易く感情移入させてくれます。
普段赤ワインを飲まれている方ならこのボトルからその要素を見出し、ウイスキーにハマるかもしれません。新規導入にぴったりのボトルです。
そう。このボトルは言わばウイスキーへの一歩を踏み出す為のボトル。
今までグレンモーレンジィ・ネクタードールがそのキャッチーなスペックで新しい導線を開拓してくれていたように、これからはこういったスペックのウイスキーが間口を広げてくれるのかもしれません。
という所で今回はおしまいにしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
カリラ8年 ラフィット|飲ませて頂いたお店
このボトルを飲ませて頂いたのは毎度おなじみ難波のBAR SIMONさん。いつもありがとうございます。
カリラ8年 ラフィット|口コミ・評価評判
上手にワイン樽とカリラがマリアージュしてて、短熟なのに一体感があります。流石の完成度でした。😋
しかしラフィットの樽との事ですが、シャトー・ラフィット・ロートシルトの樽なのか、カリュアド・ド・ラフィットなのかが気になったり・・。 pic.twitter.com/fDEnaqM2dy— Hyperion (@Hyperio64452293) February 28, 2021
本日の二杯目。カリラの8年、シャトーラフィット。ラフィット⁉️ クラレットフィニッシュと言われれば……。美味しいカリラではあるが、名前負けな気も(^_^;) pic.twitter.com/FRgDCmhxW8
— 愛山雄町@ドリームライフ第4巻・ラスボスグルメ第2巻発売! (@AiyamaOmachi) March 26, 2021
25日 木曜
Wu Dram Clan セレクト
Caol Ila 2012-2020 57.9%
Chateau Laffite Barrique cask何年か前に同僚とボルドーのバリック熟成のワインで樽感がしっかり効いていたのを「バリバリバリック効いてて美味いですね!」
と言っていた若い頃の甘酸っぱい思い出が蘇りました。
Bar Nadurra pic.twitter.com/lgUbNh9sVG
— Bar Nadurra (ナデューラ) (@noboru2515) February 25, 2021