テイスティング・レビュー

カンパリ アペリティーヴォ(1970〜80年代流通【オールドボトルの評価・レビュー】

今回は趣向を変えてオールドリキュールのテイスティングを行います。

用意したのはカンパリ。
1980年頃に流通していたアペリティーヴォ(伊:食前酒の意)表記のボトルです。

 

時代が変われば味も変わる。
製法、エキス分、原料が変わります。

水分やアルコールが揮発する事で「凝縮感」も味わえます。
50年間凝縮し続けたこのボトルは一体どんな味になっているでしょうか。

今日もよろしくお願いします。

カンパリ・アペリティーヴォ|ラベルの比較

オールドボトルの比較用に現行品(右)を用意しました。
ボトルのデザインもリキュールの色味も全く違いますね。まずはラベルから見てみましょう。

 

大きく配置された「Aperitivo」の文字。
現行ボトルには描かれておらず、オールドカンパリの流通時期を見分ける基準にもなっています。

 

アペリティーヴォのアルコール分は24%。現行品より1%低くなっています。輸入はサントリーが行なっていたようですね。(現行品はアサヒビール)

 

スクリューキャップに描かれた意匠も異なります。
アペリティーヴォ(左)は封蝋のような意匠。紋章?の形も異なります。

よく見るとモチーフは同じでしょうか。

・2匹の犬
・上部にヘルメット
・盾、植物

このモチーフはカンパリ一族と薬草の結び付きを表しているのかもしれません。全くの妄想ですが、そうだとしたら面白いですね。

カンパリ・アペリティーヴォ|味・香り

アペリティーヴォ(左)は色が濃いですね。
現行品をルビーと例えるならアペリティーヴォはガーネット。この違いは経年によるものでしょうか。

香りは甘く…とても濃く、フローラル。まとまりを感じます。

味わいは…とてもねっとりとしています。凝縮感とはこの事でしょうか。
複雑で濃い味わい。タッチは優しく、かすかな苦味。カドを感じない優しいハーブ。

 

このアペリティーヴォと比べると現行品はスッキリと感じます。
シトラスの香りとヨモギの味わいが目立ちますね。シンプルでした。

カンパリ・アペリティーヴォ|評価

オールドリキュールならではの香味に驚かされました。
香りも味も濃い。

凝縮された糖分の口当たりは非常に濃厚で。
現行のスッキリした味わいとの違いを楽しませて頂きました。

 

現行品は現行品で良いですね。

このスッキリとした味わいは清涼感を得たいときにぴったりの味わいです。
暑い日に炭酸水で割ってレモンピールを振りかけて飲むと最高でしょう。

それでは今日はこの辺で。
ご覧頂きありがとうございます。

カンパリ 25度 750ml 正規品 ((ZJCP25Z0))
ヴェリタス

カンパリ|製法と歴史

カンパリはイタリアのガスパーレ・カンパリ氏が発明した薬草酒です。
元々は「ビッテル・アルーソ・ドランディア(オランダ風苦味酒)」という名前で販売されていました。

この薬草酒は大変な人気を誇り、イタリアやイギリスの国王からも愛されました。

ガスパーレの他界後は次男のダビデ・カンパリが後継者となりました。その際に商品の名前を「カンパリ」に変更。世界中の人々に愛されるようになりました。

このダビデ・カンパリ氏は超の付く程の遊び人だったそうです。お酒に関わるエピソードは華やかな話題に事欠きませんね。

カンパリ
門外不出のレシピ

世界中で人気を博すカンパリですが、その製法は門外不出と言われています…が、専門家の分析により一部が公開されています。

ビターオレンジ・キャラウェイ・コリアンダー・カルダモン・シナモン・ナツメグ等30種を超えるハーブやスパイスが使われていると言われています。

カンパリ
製法

中性スピリッツにボタニカルを浸漬後、アルコール度数を69%に調整し15日間タンクに貯蔵します。

その後、水や砂糖、アルコール、そして天然染料であるコチニール色素(2007年以降は着色料に切り替え)を加え、更に1ヶ月熟成。その後濾過し商品化に至ります。

カンパリ アペリティーヴォ|口コミ・評判

カンパリ 25度 750ml 正規品 ((ZJCP25Z0))
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ジロー/ Giraud
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気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。