6g_アイランズ

アラン/ラッグ/ロックランザ蒸留所|価格や味は?名前の由来や歴史も解説【スコッチウイスキー・アイランズ地方】

アラン蒸留所|スペック

【会社】
Isle of Arran Distillers

【国】
スコットランド/Isle of Arran/Lochranza
地区:アイランズ

【名前の由来】

【ロゴ・アイコン】
アラン島をかたどったロゴ
蒸溜器、2羽のワシ

【ボトル】
仕込み水に使用している「ロッホ・ナ・ダヴィ」をボトル肩口の波紋や底面のデザインで表現しています。

【原料】
大麦:オプティック種
業者:Boortmalt, Glenesk Maltings

【ピート】
Unpeated (46 weeks per year)
20ppm (four weeks per year)
50ppm (2 weeks per year)

【仕込み水】
イーサンビオラック川を流れるロッホ・ナ・デューの湧水

【発酵曹】
—製 x5基

【イースト】

Kerry ‘M’ strain

【発酵時間】
65時間

【蒸留器】
初留器:Broad pot with a tall narrow neck and long narrow lyne arm [6,500ℓ x2] 再留器:Bulb shape with a long narrow lyne arm [4,800ℓ x2] 加熱:Indirect steam through a bank of thin, stainless steam plates

【冷却器】
Shell and tube

【樽】
[新樽] フレンチオーク
他にもリフィル樽でワイン樽やシェリー樽・ポート樽を使用しています。

【年間生産量】
120万ℓ

【ブレンド先】

生産量に対するシングルモルト比率は95%

アラン蒸留所|特徴

原酒の個性

クエン酸、軽い穀物。
バニラやキャラメル・ココナッツの香り、そしてアクセントとなるスパイス感。

穏やかな気候の避暑地

穏やかな気候は英国王室の避暑地にもなっており別名「ロイヤルアイランド」とも呼ばれています。アラン島の荒涼とした大地や安定して得られる雨量はウイスキーづくりに適しており、水源にはロッホ・ナ・デュー湖にあるイーサンビオラック川からの水を使用しています。

創設者、ハロルド・カリー氏

シーグラム社やペルノー社に在勤し、シーバスリーガルのマネージングディレクターも勤めた人物。70歳にして、蒸溜所を設立するという夢を叶える。

2016年3月、創業者ハロルド・カリー氏は永眠しました。

1944年6月のノルマンディ上陸作戦時の彼の多大なる功績がたたえられ、レジオンドヌール勲章を授与。また彼は熱心なフットボーラーで、後年にレフリーの訓練を受け、1970年代にはセントミレンFCの会長を勤め、若きアレックス・ファーガソンをマネージャーに任命しました。これを機にマンチェスター・ユナイテッドを長きに渡り指揮することとなるファーガソンは本格的な指導者としての道を歩み、マンチェスター・ユナイテッドを長きに渡り指揮し、成功をおさめています。

ハロルドは亡くなる直前までアラン蒸溜所を頻繁に訪れ、昨年20周年を迎えた蒸溜所の成長を喜んでいました。これからはアラン蒸溜所のエンジェルたちともに、楽しい日々を過ごしてくれることでしょう。

現在のマスターディスティラーはジェームス・マクタガート氏。

クラウドファウンディングで資金繰り

蒸溜所創立にあたり資金繰りという大きな壁に直面したカリー氏でしたが、彼の息子アンドリューが今でいうクラウドファンディング的発想で資本を集めそれを乗り越えます。

アンドリューはボンド(いわゆる債権)を発行して、一口450ポンドで販売しました。債権を購入した人には、蒸溜所が稼働する1990年から5年後(1998年)に5ケースのブレンドウイスキーを、そして8年後(2001年)に5ケースのシングルモルトを優先的に受け取ることができるという特典をつけました。さらにその後もずっと割引価格でアランモルトを購入できる、という取引内容で債権をさばきます。

ウイスキー製造が途絶えていたアラン島民は製造復活を願っていました。島民の後押しもあってか、カリー氏は2000人の投資家を集めることに成功します。こうしてウイスキー製造が途絶えていたアラン島に再びウイスキーが帰ってきたのです。

2羽の鷲

ロゴにも配置されている2羽の鷲。彼らは蒸溜所の裏手の山に巣をつくり、1994年に蒸溜所の建設を中断させ、その後も25年間住み続けているんだそうです。

多くの蒸溜所が存在した過去

1800年代のアラン島では狭い島の中になんと50もの蒸溜所が存在し、密造酒が作られていました。

当時作られていたアラン島のウイスキーは「アラン ウォーター(アランの水)」と呼ばれ島民に愛されていたのですが、時代の流れとともに蒸溜所は次々に島から姿を消し、遂に1837年のラッグ蒸溜所閉鎖を最後にアラン島ではウイスキーが全く作られなくなってしまったのです。この原因は重税と言われています。

日本に溶け込むアランの文化

アランセーター、アランニットと呼ばれる手編みのセーターが特産品。日本でも知名度が高い模様です。

アラン蒸留所|歴史

1995年
オーナー:Isle of Arran Distillers
ハロルド・カリー氏により蒸溜所設立。

1998年
初めてのボトル流通。アラン3年を販売開始

2017年
蒸留器を2基追加

2019年
アランのオーナー、アイルオブアランディスティラリーズは島の南部にLagg蒸溜所をオープンする

アラン蒸留所|種類・ラインナップ

アランモルト 10年

正統派の味わいですが、アランという存在をしっかりと印象づける1本

樽>>

香り>>
バニラカスタードにマスクメロン、キウイのフルーツ感
味わい>>
口当たりは柔らかで、味わいはシトラス、シロップなどの爽やかな甘みとシナモン系のスパイス

アラン蒸留所|動画

※上動画はLagg蒸溜所のトレーラーです

 

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ジロー/ Giraud
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気付いたらウイスキー沼に引きずり込まれてました。責任取ってください。